ナス科の植物であるエンジェルトランペットは、大きな花を下向きにつけます。
花が風に揺れる姿は、愛嬌を感じさせ、庭植えなどとしても人気です。
そんな見た目とは違い、有毒をもつ植物の1つでした。
目 次
エンジェルトランペットとは
ユリのような花を下向きにつけるエンジェルトランペットは、熱帯に生息する低木。
熱帯アメリカが原産と言われていますが、比較的寒さにも強く、初心者でも育てやすい花とされています。
日本でも育てることができ、寒さに負けて地上部分が枯れてしまっても、地下茎は残っているため、また発芽し花をつけます。
樹高は1から3mほどで、庭植えなどとして楽しまれる花です。
花は1度に100輪近く咲くこともあるそうで、その姿は熱帯の地方を感じさせます。
花の形は、ユリやアサガオのようで、下向きに垂れ下がるように咲きます。
1つ1つの花が大きいのが特徴。
花色は白やオレンジ、ピンク、黄色など明るい色が多いです。
開花期が5月から11月と長い間花を楽しむことができます。
エンジェルトランペットの名前の由来
日本でもエンジェルトランペットと言う名前で知られていますが、元々は西洋名で「Angel’s Trumpet(エンジェルズ トランペット)」です。
下向きにつくアサガオのような花が、天使の奏でるトランペットの形に似ていることから名づけられています。
日本では「木立朝鮮朝顔(キダチチョウセンアサガオ)」という名前がつけられています。
元々薬用の植物として、「朝鮮朝顔(チョウセンアサガオ)」という名前で、日本に伝えられたエンジェルトランペット。
低木であることから木立とつけられたのでしょう。
学名は「Brugmansia(ブルグマンシア)」ですが、エンジェルトランペットという名前で呼ばれることがほとんどです。
エンジェルトランペットが誕生花となる日にち
10月19日、10月23日
エンジェルトランペットの花言葉
「愛嬌」「愛敬」「遠くから私を思って」という花言葉がつけられています。
1度にたくさんの花をつけるエンジェルトランペット。
下向きにぶら下がった花が、風に揺れる姿が、可愛らしいことから、「愛嬌」や「愛敬」とつけられたそうです。
エンジェルトランペットの色別の花言葉
白やオレンジ、ピンク、黄色など明るい花色が多いエンジェルトランペット。
色別の花言葉は、特別つけられていないようです。
エンジェルトランペットの怖い花言葉
名前からしても、可愛らしい雰囲気を感じる花ですが、「変装」や「偽りの魅力」といった、少しネガティブな花言葉がつけられています。
実は、エンジェルトランペットには、毒があるため、愛嬌のある様相とは裏腹にという意味があるそうです。
エンジェルトランペットは毒を持つ花
日本には薬用の植物として伝えられたエンジェルトランペット。
過去には鎮痙薬として使用されており、麻酔薬としても利用されていました。
エンジェルトランペットは、植物全体に有毒の成分である、ヒヨスチアミンやスコポラミン、トロパンアルカロイドなどが含まれます。
これらの成分を服用すると、幻覚や妄想、悪寒などの症状が出るのが特徴。
実際に中毒症状を起こした事例もあります。
例えば、エンジェルトランペットの根をゴボウと間違えて食べてしまい、瞳孔拡大や頻脈などの症状を起こした例や、エンジェルトランペットの台木にナスを接ぎ木し、育ったナスを食べて意識混濁したなどです。
また、樹液などに触れると、皮膚炎などの症状を起こすこともあります。
庭植えなどで育てる場合には、間違えて野菜として食べてしまわないように注意しましょう。
ちなみに、「遠くから私を思って」という花言葉は、木全体に毒を持つことから、むやみに近づくなという意味があるそうです。
可愛らしいはなの名前と、愛嬌のある花の見た目から明るい雰囲気を感じさせます。
その反面、有毒をもち、むやみに触ると危険です。
エンジェルトランペットを見つけた時は、花言葉のように遠くから眺めるだけにしましょうね。