ジャケツイバラは陽当たりの良い、暖かい場所に自生する花です。
春先から梅雨時期にかけて、黄色い花を1つの茎にいくつもつけ、大きく華やかに彩ります。
ジャケツイバラは、日本の宮城県より南の地域で自生している花です。
日本ではジャケツイバラの花が、絶滅危惧種に指定されるほど、危機的状況におかれています。
目 次
ジャケツイバラとは
ジャケツイバラは、樹高が2m程度の低木です。
高さの低い木ですが、つるを伸ばし大きくなります。
小判のような形の小さな葉っぱが、1つの軸に対し、左右対称に20から40枚つきます。
茎や葉っぱの軸にはとげがあるので、触るときには注意しましょう。
4月から6月にかけてつるの先の方に、たくさんの花を咲かせます。
黄色の小さな花がいくつも集まって、20㎝程度の花房を形成するのが特徴です。
ジャケツイバラは、マメ科ジャケツイバラ属の植物で、花が落ちた後は、グリンピースに似たさやがつきます。
秋にはさやが茶色へと変色し、中の種は黒くなります。
中の種は有毒ですが、中国では生薬として利用されるそうです。
ジャケツイバラの名前の由来
ジャケツイバラという名前は、花の見た目からつけられたものでした。
ジャケツイバラはつる植物で、いくつものつるが絡まりあいます。
その見た目が、蛇が絡まっているように見えたそうです。
また、茎や葉っぱの軸に鋭いとげがあることから、「蛇結茨(ジャケツイバラ)」となりました。
西洋名は「Mysore thorn(マイソール ソーン)」です。
「Mysore」は南インドという意味があります。
ジャケツイバラの原産は、日本とユーラシア大陸の東部と言われています。
南インドでジャケツイバラが発見されたのかもしれませんね。
また、「thorn」はとげという意味があります。
ジャケツイバラのの学名は「Caesalpinia decapetala var.japonica」です。
学名の「Caesalpinia」は医者であり、哲学者や植物学者の異名も持つ、「Andrea Cesalpino(アンドレア・チェザルピーノ)」に敬意を博士つけられたとされています。
ジャケツイバラが誕生花となる日にち
3月25日
ジャケツイバラの花言葉
「賢者」がジャケツイバラの花言葉です。
黄色の小さいな花からは、想像できない花言葉ですね。
「賢者」とは、知識や見識に優れた人物を指す言葉です。
ジャケツイバラの学名の由来である、アンドレア・チェザルピーノが、知識に優れた人だったことから、つけられたのかもしれません。
ジャケツイバラの色別の花言葉
ジャケツイバラの花色は黄色のみです。
そのため、色別の花言葉はありません。
ジャケツイバラの怖い花言葉
ジャケツイバラの茎や葉っぱの軸には鋭いとげがあります。
そのことから、怖い花言葉がつけられていそうと思われるかもしれません。
しかし、ジャケツイバラには、「賢者」という花言葉しかついていないようです。
希少なジャケツイバラ
ジャケツイバラ属の花は、全世界で120種類以上存在しています。
たくさん種類がありますが、日本に存在するジャケツイバラ属の花は、ジャケツイバラのみです。
南西諸島には、同じジャケツイバラ属のシロツブやナンテンカズラが生息しています。
ジャケツイバラは、ユーラシア大陸にも生息している植物ですが、数が少ないため、絶滅危惧に指定している場所もあります。
宮城県では絶滅危惧Ⅰ類、新潟県では絶滅危惧Ⅱ類、福島県では準絶滅危惧に指定されています。
絶滅危惧Ⅰ類は近い将来に絶滅する可能性が極めて高い状態を示しています。
このまま何も対策を行わなければ、ジャケツイバラが日本で見られなくなる日も近いかもしれません。
ジャケツイバラ属に属している花は、世界にたくさんの種類があるため、どこでも目にすることがあるかもしれません。
しかし、ジャケツイバラの花は、絶滅危惧に指定されるほど、見れる場所が少なくなってしまいました。
黄色の花をつけるジャケツイバラを、いつまでも日本で観察できるように、大切に保護したいですね。