スイレンの花は、水面に大輪の花をさかせ、優雅な印象を感じさせます。
花色も豊富で、見る人を魅了させる花です。
そんなスイレンには、怖い言い伝えがあり、さらに言い伝えにともなう、怖い花言葉もつけられていました。
目 次
スイレンとは
茎、根の大部分が水中にあり、葉っぱや花のみ、水面に浮かばせるのがスイレンです。
花色の種類が多く、赤、ピンク、白、黄、紫、青などさまざまです。
世界のさまざまな場所で、自生しています。
世界中で自生するスイレンは、50種類以上といわれています。
50種類以上あるスイレンの中で、唯一日本で自生しているのが、ヒツジグサという種類のスイレンです。
自生しているスイレンの種類は多いですが、品種改良などにより、園芸種類も多いです。
スイレンは寒さに強く5月から10月の長い期間花が楽しめる温帯スイレンと、寒さに弱く開花期が7月から10月の熱帯スイレンに分けられます。
耐寒性の温帯スイレンの方が、家庭で育てやすい品種とされています。
スイレンの名前の由来
スイレンは、漢字で「睡蓮」と書き、蓮根の花であるハスのように、水面に浮かび咲きます。
また、アサガオのように朝に花開き、夜にはしぼむことから、夜眠る花です。
このことから、スイレンという名前が付けられたそうです。
西洋名は「water liles(ウォーター リリーズ)」です。
水に浮かぶスイレンの花が、ユリのように美しいことからつけられたのでしょう。
日本では、「ヒツジグサ(未草)」という別名があります。
これは、日本に唯一自生する、スイレンの品種の名です。
スイレンが誕生花となる日にち
4月27日、5月8日、7月7日、7月24日、8月8日
スイレンの花言葉
「信仰」「信頼」「清純な心」「清浄」がスイレンの花言葉です。
西洋の花言葉は「purity of heart」で清らかな心という意味です。
「信仰」「信頼」という花言葉は、古代エジプトに由来します。
朝のぼり夜に沈む太陽は、エジプトのシンボルです。
スイレンの花も、朝花開き、夜にはしぼみます。
このことから、信仰している太陽にかけてつけられました。
「清純な心」「清浄」「purity of heart(清らかな心)」は、スイレンの花色に由来します。
白色の花は、「純粋」「清らか」など、混じりけのない綺麗なイメージの花言葉が付けられることが多いです。
スイレンの花の中でも、白色の花が多いことから、「清純な心」や「purity of heart(清らかな心)」といった花言葉がつけられました。
スイレンの色別の花言葉
白色のスイレンは「純粋」「潔白」という、白を象徴するような花言葉が付けられています。
ピンク色は全体の花言葉と同じ「信頼」です。
また、黄色のスイレンは「甘美」や「優しさ」です。
淡く優しい色で、明るく彩る黄色のスイレンにピッタリの花言葉ですね。
青や紫、赤色、複色などには、色別の花言葉はつけられていないようです。
スイレンの怖い花言葉
スイレンは、ポジティブなイメージの花言葉ばかりではありません。
「滅亡」という怖いイメージの花言葉も、もっています。
「滅亡」はギリシャ神話が由来でつけられたそうです。
他にも、「終わった恋」や「冷淡」といった、少し冷たい印象を与える花言葉がつけられています。
スイレンの言い伝え
スイレンにはいくつかの言い伝えがあります。
まずは、「滅亡」の由来となったギリシャ神話です。
水中の妖精ニンフは、ヘラクレスという英雄に恋をしました。
しかし、ヘラクレスは自分との身分の違いを理由に、妖精ニンフを見捨てます。
妖精ニンフは自分の恋が叶わず、見捨てられたことで川に飛び込み亡くなりました。
そして美しいスイレンへと生まれ変わったとされています。
自ら亡くなることを選んだことで「滅亡」とつけられました。
また、ヘラクレスの冷徹な対応が「冷淡」という花言葉に繋がったゆえんです。
妖精ニンフにまつわる言い伝えは他にもあります。
スイレンの咲く綺麗な水辺を通りかかった人が、スイレンがあまりにも美しかったので、摘み取ろうとしました。
そんな時、水中の妖精ニンフがあらわれ、摘み取ろうとした人を引きずり込んだそうです。
この言い伝えは、子供が池や沼地に落ちて亡くならないために、つくられたともいわれています。
スイレンの花は、水面に綺麗な花を咲かせとても優雅です。
花の美しさの裏には、恐ろしい印象を与える言い伝えがありました。
スイレンの花を見る時には、水辺に近づきすぎないように気をつけたいですね。