ユスラウメは春に花を咲かせた後、初夏になるとグミの木のように赤い実をつける植物です。
子供の頃、赤い実のついた木を見て「あの美味しそうな実は食べられるのかな」と思ったりした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
目 次
ユスラウメとは
ユスラウメ(梅桃、山桜桃梅)はバラ科サクラ属の落葉低木の果樹です。
開花時期は4月頃で桜のような白色や薄ピンク色の花を咲かせます。
6月頃の初夏になるとサクランボのような艶のある赤い実をつけ、食用になります。
味もサクランボに似ていて酸味も少なくほのかな甘みがあり、ジャムなどにも利用されます。
樹高は3~4mほどで、枝や葉には毛に覆われています。
俗名ではユスラゴとも呼ばれています。
ユスラウメの名前の由来
ユスラウメの名前の由来は木をゆすって実を落とし収穫したことからつけられたと言われています。
また、ゆらゆらと風に揺れる様子からついたという説もあります。
この他では朝鮮語の「移徒楽(いさら)」という言葉がなまって「ゆすら」に変化したという説もあります。
英語では「downy cherry」といい、「毛でおおわれたチェリー」という意味があります。
これはユスラウメの葉や茎が産毛で覆われていることからつきました。
見た目がよく似ているニワウメは毛がないため、毛があるかないかで判別されるようです。
ユスラウメが誕生花となる日にち
4月28日
ユスラウメの花言葉
ユスラウメの花言葉は「郷愁」「ノスタルジー」「輝き」です。
「郷愁」「ノスタルジー」の花言葉は子供の頃、ユスラウメの実をとって食べたことを懐かしく思うことからつきました。
自宅の庭に植えてあるのを取って食べたり、近所の方に頂いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そして、それを使ってお母さんやおばあちゃんがジャムを作ってくれたという方もいらっしゃることでしょう。
同じ赤い実がなるグミの木の実に似ていますが、ユスラウメが丸い形をしているの対し、グミの実は少し卵型をしています。
しかし、実のなる木というのはどれも子供心をくすぐるものですね。
「輝き」という花言葉はユスラウメの実が艶があることからつきました。
サクランボのようにつやつやした実はとても美味しそうに見えます。
以上のようにユスラウメの花言葉は花姿よりも実に関することが由来となっています。
ユスラウメの色別の花言葉
ユスラウメの色別の花言葉は特に無いようです。
ユスラウメの怖い花言葉
ユスラウメの怖い花言葉は特に無いようです。
ユスラウメの言い伝え
ユスラウメは歴史も長く、色々な言い伝えがあります。
その中の一つにユスラウメはある漢字を生み出したという言い伝えがあります。
中国では「櫻」という漢字はユスラウメが字源とされています。
木に実がついている姿が首飾りをしている女性に見えることからこの漢字がつきました。
「櫻」の字の中に「貝」という字が入っていますが、古代から貝は首飾りなどの装飾品として使われてきました。
また、日本では古くから地域によって様々なユスラウメの方言があります。
茨城県西南部では「よそらんめ」、福島県相馬地方では「リッサ」と呼ばれています。
「よそらんめ」はなんとなく「ゆすらうめ」がなまって変化したように聞こえますが、「リッサ」はなぜそのように呼ばれるようになったのかは不明です。
そして、ユスラウメは古くから「山桜桃(サンオウトウ)」という生薬としても利用されてきました。
クエン酸が多く、滋養強壮、消化促進、利尿作用もあるので風邪の時にも用いられたようです。
また、果実酒にして飲むと体があたたまり、冷え性や不眠症にも良いとされてきました。
綺麗な花を楽しませてくれた後は実を成して食することが出来るので庭木としても人気があったのではないでしょうか。
このようにユスラウメは昔から「観ても良し、食べても良し」という植物だったようです。