は紫と白のコントラストが美しい花姿と存在感のある葉が特徴です。
古代ギリシャでは芸術の世界において、なくてはならない存在になりました。
目 次
アカンサスとは
アカンサスはキツネノマゴ科ハアザミ属の常緑多年草です。
地中海沿岸が原産で草丈は60~150㎝ほどになります。
花期は6~8月頃で背高な花穂が特徴で、暗い紫色の萼から白い花をのぞかせ、下から順に並ぶように咲きます。
別名「ハアザミ(葉薊)」とも呼ばれ、花の下部(苞)にトゲがあります。
一番よく栽培されている品種は「アカンサス・モリス」です。
ギリシャでは国花になっています。
葉や根は生薬として下痢止めや止血剤として使われてきました。
アカンサスの名前の由来
「アカンサス」はギリシャ語で「トゲ」という意味があり、苞にトゲがあることが由来となっています。
別名の「ハアザミ」はアザミの葉に似ていることからつきました。
アカンサスが誕生花となる日にち
6月10日、7月11日、10月13日
アカンサスの花言葉
アカンサスの花言葉は「芸術」「技巧」「美術」「建築」「離れない結び目」です。
「芸術」「技巧」「美術」「建築」の花言葉はどれも創造的な花言葉ですね。
これらの花言葉は古代ギリシャで建築物の装飾としてアカンサスの葉の模様が彫られたことが由来となっています。
このアカンサスの葉の模様は古代ギリシャの建築様式のひとつであるコリント式の柱頭のモチーフになっています。
他にもヨーロッパでは家具の装飾や陶磁器、絨毯のデザインなどにも使われてきました。
植物の場合、どちらかというと葉よりも花の部分の方が主役になりがちですが、アカンサスに関しては葉がフォーカスされていたのですね。
たしかに艶のある濃い緑色で深い切込みも入ってデザイン性があります。
「離れない結び目」の花言葉はこちらも葉の特徴からきています。
アカンサスの葉は50~60㎝ほどあり、大きく何枚にも重なり、絡まっているように見えることからついたようです。
たしかに建築物等に施されているアカンサスの葉の模様は渦を巻いたような複雑な模様になっています。
アカンサスの色別の花言葉
アカンサスには紫色の他に白色やピンク色もありますが、花言葉は特に無いようです。
アカンサスの怖い花言葉
アカンサスの怖い花言葉は特に無いようです。
アカンサスの言い伝え
アカンサスが古代ギリシャの建築物に使われるようになったきっかけとして、以下のような伝説があります。
昔、コリントスで一人の少女が亡くなりました。
哀しみにくれていた乳母は少女が愛用していた玩具をバスケットに詰めて、お墓に供えました。
季節は巡って春になり、そこをカリコスマという彫刻家が通りかかりました。
彼はバスケットに絡まっているアカンサスの葉を美しく感じ、それを建築物のコリント式のデザインにすることを思いつきました。
アカンサスの葉の美しさに目を止めた彼の感性と発想力も素晴らしいですね。
そして、他にもアカンサスに関するギリシャ神話があります。
昔、アカンサスという美しい娘がいました。
彼女を一目見て大変気に入った太陽の神アポロンが結婚を申し込みましたが、アカンサスに断られてしまいます。
それでもしつこく近づいてくるので避けようとした彼女の爪がアポロンの顔に当たり、引っ搔いてしまいました。
それに怒ったアポロンは彼女を花の姿に変えてしまいました。
そして、美しい見た目とは裏腹に触るとトゲがあるアカンサスという名の花が誕生しました。
なんだかとても理不尽で可哀相な神話ですね。
また、アカンサスはギリシャの国花にもなっており、古代から神聖な植物とされてきました。
キリスト教では復活の象徴にもなっているそうです。
人々はきっと毎年春になるとつややかな葉が茂り、花穂をぐんぐん伸ばすアカンサスに強い生命力を感じてきたのではないでしょうか。