クリスマスローズは名前のイメージから、クリスマスの頃に咲く花と思われている方も多いのではないでしょうか。
確かにクリスマスの頃に咲く品種もありますが、実際は春に咲く品種が多く出回っています。
目 次
クリスマスローズとは
クリスマスローズはキンポウゲ科クリスマスローズ属の多年草です。
草丈は10~50㎝ほどで、1~3月頃に白、黄、ピンク、緑、紫、複色の花を咲かせます。
花のように見える部分は実際は萼片になり、一重、二重以上、半八重咲のものがあります。
主にヨーロッパ、トルコ、シリアなどに自生していますが、チベタヌスという品種は中国に分布しています。
本来、クリスマスローズと呼ばれるものは12月頃に咲く「ニゲル」という種類のものになります。
しかし、日本ではオリエンタリス種やフェチダス種のような春咲きのものが主流になっていて、これらも「クリスマスローズ」と呼ばれています。
クリスマスローズの名前の由来
クリスマスローズはバラのような花姿とニゲル種が12月のクリスマス頃に咲くことが由来となっています。
学名では「ヘレボルス(Helleborus)」といい、これはギリシャ語の「殺す(hellion)」と「食べ物(bora)」の意味から成り立ちます。
つまり「ヘレボルス」には「食べると死ぬ」という意味があります。
ヘレボルスは下剤や精神安定剤などの薬として使われていましたが、一方では戦争の時にアテネ軍が兵器の一つとして使ったという話があります。
アテネ軍は乾燥期に飲料として利用していた川の水にヘレボルスの根を流し、その水を飲んだ多くの人々が健康を害されたということです。
また、狩猟用の毒にも使われていたそうです。
クリスマスローズが誕生花となる日にち
11月16日、12月13日、12月19日、12月20日、12月26日
クリスマスローズの花言葉
クリスマスローズの花言葉は「いたわり」「慰め」「私の不安を和らげて」「追憶」「私を忘れないで」です。
「いたわり」「慰め」「私の不安を和らげて」の花言葉は昔、西洋ではクリスマスローズが精神安定剤の薬に使われていたことが由来となっています。
取り過ぎると毒になりますが、精神が不安定な人にとってはこの花に大変救われたことでしょう。
また、クリスマスローズの香りは病人の悪臭を取り除くと言われていました。
「追憶」「私を忘れないで」の花言葉は中世のヨーロッパで、恋人が戦争に行く前にこの花を贈ったことからつけられました。
無事に帰ってきてほしい思いと離れていても私のことを忘れないでほしいという思いが花に込められていました。
クリスマスローズの色別の花言葉
クリスマスローズの色別の花言葉は特に無いようです。
クリスマスローズの怖い花言葉
クリスマスローズの怖い花言葉は「中傷」「スキャンダル」です。
こちらもクリスマスローズに毒が含まれていたことからついたようです。
クリスマスローズの毒性は皮膚のただれもよく見られる症状で、種類によっては葉の液汁がついただけで、水泡ができたりすることもあるので注意が必要です。
クリスマスローズの伝説
クリスマスとイエスキリストは深く関わりがありますが、このクリスマスローズの花もキリストに関係する伝説があります。
「イエスキリストが誕生したときに多くの人々がお祝いに駆け付けました。
その中に一人の羊飼いの少女がいました。
少女は貧しかったため、お祝いに何も贈るものがなく泣いていたところ、涙が落ちた地面から白いクリスマスローズの花が咲きました。
12月頃にバラのような美しい花が咲くことはめずらしく、少女はその花をお祝いに贈ったということです。」
この他にもクリスマスローズが登場するギリシャ神話があります。
「ティリュンスの王であるプロイトスの3人の娘が女神ヘラの彫像を軽く扱った罰として、彼女たちは精神を狂わされました。
プロイトスは預言者でもある山羊飼いのメランプスに国土の3分の2と引き換えに助けを求めます。
そして、メランプスはクリスマスローズを食べた山羊の乳を娘たちに飲ませて治したということです。」
クリスマスローズが精神を安定させる力があると言われてきたことが、この神話からもよくわかりますね。