トケイソウは時計のような花姿をしていることから名前も覚えやすく、知っている方も多いと思います。
しかし、実はもう一つ別のものにも例えられていることは日本ではあまり知られてないかもしれません。
目 次
トケイソウとは
トケイソウ(時計草)は熱帯地方に分布し、トケイソウ科トケイソウ属の常緑多年草です。
花期は5~10月で雄しべが3本、雌しべが5本あり、花びらは一見10枚あるように見えますが、実際は萼が5枚で花びらが5枚からなります。
花の色は青紫、紫、白、ピンクなどがあり、品種は500種類以上にものぼります。
つる性の特性を生かし、グリーンカーテンに活用されることもあります。
パラグアイでは国花になっています。
トケイソウの名前の由来
トケイソウ(時計草)の名前の由来は字の如く、その時計のような花姿からきています。
雄しべは3つに分かれており、それが時計の長針、短針、秒針に見えることと、花びらと萼、副花冠が文字盤のように見えることから「時計草(トケイソウ)」と呼ばれるようになりました。
学名の「caerulea(カエルレア)」はラテン語で「青」という意味があり、トケイソウの代表的な色である青紫色が由来になっています。
トケイソウが誕生花となる日にち
6月13日、6月27日、7月21日、8月21日
トケイソウの花言葉
トケイソウの花言葉は「聖なる愛」「信仰」「宗教的熱情」です。
すべて宗教に関わる花言葉ですが、これらはトケイソウの花姿がキリストの処刑に例えられたことが由来となっています。
トケイソウは別名で「Passion flower(パッションフラワー)」と言い、「受難の花」という意味があります。
これはイエズス会の宣教師がつけた名前で、受難とはキリストの処刑のことを指しています。
3つに分かれた雄しべは釘、5つの雌しべは傷、合わせて10枚ある萼と花びらは10人の使徒を表しています。
また、ひげのように見える「副花冠」と呼ばれる部分はムチまたはキリストの後光、葉はヤリに見立てるなどすべてキリストの受難に例えられています。
トケイソウの色別の花言葉
トケイソウの色別の花言葉は特に無いようです。
トケイソウの怖い花言葉
トケイソウの怖い花言葉はあまり有名ではないですが、一部では「傷つきやすさ」という花言葉があるようです。
キリストの処刑と関係があるように思われがちですが、熱帯地方で育つ花なので、寒さに弱いことからついたという説があります。
トケイソウの言い伝え
南国の果物に「パッションフルーツ」という甘酸っぱい人気の果物がありますが、実はトケイソウと深い関わりがあります。
パッションフルーツはトケイソウ科トケイソウ属の果物です。
名前のパッションは前述の「パッションフラワー」からきています。
盛んに栽培されているブラジルでは「マクラジャ」と呼ばれています。
これは南米の先住民の言葉で「ひょうたんの形をした中身が食べられるもの」という意味があるそうです。
そして、ブラジルではこのパッションフルーツを食べると眠くなるという言い伝えがあります。
しかし、その科学的根拠などは無いようですし、むしろ酸味があるので食べるとしゃっきりとして目が覚めてしまいそうな感じもしますね。
日本でも沖縄などの暖かい地域で栽培されていて「クダモノトケイソウ(果物時計草)」と呼ばれています。
パッションフルーツは黄色と紫色のものがありますが、日本で栽培されている品種は主に紫色のものになります。
また、ペルーでは先住民がハーブとして利用していたそうです。
ハーブとして使われていたのは「チャボトケイソウ」という品種で、トケイソウの中でも比較的耐寒性のある品種になります。
鎮静効果があるため不眠症にも良いとされていました。
スペイン人の医師がペルーでこのことを知り、欧米に広めたそうです。
もしかすると、ブラジルの「パッションフルーツを口にすると眠くなる」という言い伝えはこのことが関係しているのかも知れませんね。