花が開く姿は夜しか見られないマツヨイグサ。
近年はメマツヨイグサという花に取って代わられ、なかなか目にする機会はないかもしれません。
花の習性にあわせた花言葉がつけられていました。
目 次
マツヨイグサとは
マツヨイグサは南アメリカ原産の一年草です。
日本での歴史は古く、1800年代には観賞用として、持ち込まれましたとされています。
昭和30年代頃には、日当たりのいい空き地などで群れをなして咲いていました。
しかし同じマツヨイグサ属のメマツヨイグサが、繁殖したことで、現在の日本で自生しているものは少ないです。
背丈は10から30㎝と小さく、花の大きさは3㎝程度です。
4枚の花びらから形成され、黄色の花色をしています。
花は夕方に開花し、翌朝には赤みがかった黄色へと変化し、しぼみます。
葉っぱも特徴的で、細長い形です。
同属の花と区別するときは、葉っぱや背丈から判別できます。
マツヨイグサの名前の由来
マツヨイグサは漢字で「待宵草(マツヨイグサ)」と書きます。
宵とは日が暮れて間もないころをさします。
日が暮れるを待ち、夜に花開くことから、この名前がつけられたそうです。
ちなみに、「待宵草」は和名で、1800年代に持ち込まれたときに、名づけられたとされています。
西洋名は「evening primrose(イブニング プリムローズ)」です。
こちらも、日暮れに花開くことから「evening」とつけられています。
「primrose」とはサクラソウの西洋名です。
マツヨイグサの花の形がサクラソウに似ていることが由来でしょう。
マツヨイグサが誕生花となる日にち
6月21日、7月22日
マツヨイグサの花言葉
花言葉は「気まぐれ」「浴後の美人」などです。
西洋の花言葉は「inconstancy(移り気)」、「mute devotion(無言の愛情)」です。
マツヨイグサは、陽が沈むときに咲き、陽が昇るとしぼんでしまいます。
明るい時間に花が咲いた姿をみれないことから、「気まぐれ」や「inconstancy(気移り)」といった花言葉になりました。
明治から昭和にかけて活躍した、画家であり詩人の竹久夢二が、「浴後の美人」という花言葉に関係しています。
マツヨイグサを思わせる歌詞が有名な、「宵待草」という曲の作詞をしたのが竹久夢二です。
彼は画家でもあり、美人画を書いていました。
その中に出てくる浴衣姿の美人が、花言葉と関連しています。
待宵草と宵待草は同じものとして考えらています。
マツヨイグサの色別の花言葉
マツヨイグサの花色は黄色のみです。
そのため色別の花言葉は、ないようです。
マツヨイグサの怖い花言葉
昼間には花を咲かせないことから、怖い花言葉がつけられていそうに感じます。
しかし、怖い印象の花言葉はつけられていません。
マツヨイグサの仲間
マツヨイグサと同じマツヨイグサ属の花は、14種類が帰化しているとされています。
特に形や色が似ているのが、オオマツヨイグサとメマツヨイグサ、コマツヨイグサです。
マツヨイグサと同時期に繁殖したのが、オオマツヨイグサです。
オオマツヨイグサは背丈が大きく、葉っぱが太いです。
オオマツヨイグサの花言葉は、「人の好さ」や「打ち明けられない恋」などです。
マツヨイグサよりも遅く1920年代に日本に伝わった、メマツヨイグサ。
近年はマツヨイグサがあまり見られなくなった代わりに、メマツヨイグサが道端や空き地などに自生しています。
メマツヨイグサの花言葉は「無言の恋」になります。
マツヨイグサ同様、明け方に赤く変化するのが、コマツヨイグサです。
繁殖力が強い種で、在来種への影響が問題となっています。
現在は、要注意外来生物に指定されています。
「物言わぬ恋」「魔法」などが、コマツヨイグサの花言葉です。
夕方に白色の花を咲かせ、しだいにピンク色へと変化する、「ツキミソウ(月見草)」という花もあります。
ツキミソウもまた、翌朝にはしぼんでしまう花です。
ツキミソウは、「ほのかな恋」「湯上り美人」などが花言葉にあります。
ツキミソウとマツヨイグサは同じマツヨイグサ属ですが、別の種類の植物です。
ツキミソウは一年草(または二年草)で、マツヨイグサは多年草とされています。
マツヨイグサは、陽が沈むころに咲き始め、朝陽が昇るころにはしぼんでしまいます。
月明かりに照らされるマツヨイグサは、風情があって良いですね。