日本で自生するノコギリソウを見た人は、少ないかもしれません。
ノコギリソウが生息する場所は、高い山々が多いです。
花壇やフラワーアレンジメントは、「セイヨウノコギリソウ」が使われることが多いでしょう。
今回は日本や中国などが原産のノコギリソウについて紹介します。
目 次
ノコギリソウ(アレキア)とは
標高が1000mを超える高山地帯に咲く花で、日本や中国、朝鮮半島、ロシアなどが原産です。
比較的寒い地域に咲く花で、日本では、北海道から本州にかけて自生しています。
花の背丈は、50~100㎝程度にまで成長し、1つの茎の先に20個程度の花が集まってつきます。
花びらは5~7枚で、花色はピンク、黄色、白、赤、紫などさまざまです。
キク科の植物であるため、中央は黄色い筒状の花びらがいくつも集まる、舌状花です。
葉っぱは細く、周囲が小さなギザギザになっています。
ノコギリソウ(アレキア)の名前の由来
「鋸草(ノコギリソウ)」という名前は、いくつかある和名の中の1つです。
細長い葉っぱの周囲が、小さなギザギザになっている様子が、ノコギリの歯のように見えることからつけられています。
和名には、「蜈蚣草(ゴコウソウ)」や「蚰蜒草(ユウエンソウ)」、「羽衣草(ハゴロモソウ)」などつけられています。
「ゴコウソウ」や「ユウエンソウ」という名前も、葉っぱが細長く、小さなギザギザがたくさんあることが由来です。
「蜈蚣」はムカデ、「蚰蜒」はゲジゲジを意味します。
どちらも、節足動物で、体にたくさんのあしがつく虫です。
葉っぱの形が、ムカデやゲジゲジに似ていたことから、つけられました。
ノコギリソウは茎に、細くギザギザの葉っぱが、上から下までいくつもつきます。
「ハゴロモソウ」という名前は、鳥の羽のように見えたことから、つけたのかもしれませんね。
西洋名は「Chinese yarrow(チャイニーズ ヤロウ)」です。
「Yarrow」の由来は諸説あると言われています。
中心部が黄色であることから、「yellow」が変化し「yarrow」になった説や、ギリシャ語で神聖なという意味をもつ「Hieros」が変化したとも言われています。
ノコギリソウが誕生花となる日にち
7月12日、8月2日、11月17日
ノコギリソウの花言葉
「治癒」「戦い」「忠実」「勇敢」などがノコギリソウの花言葉です。
西洋の花言葉は「Healing(治癒)」「war(戦い)」「Health(健康)」です。
ノコギリソウは古くから、解熱や鎮静効果があることで知られています。
戦で負傷した人の薬として用いられたことから、「治癒」「戦い」「Healing(治癒)」「war(戦い)」「Health(健康)」などの花言葉がつけられたとされています。
ノコギリソウの色別の花言葉
ノコギリソウはピンクや白、赤、紫、黄色などの花色があります。
しかし、ノコギリソウに色別の花言葉はないようです。
また、ノコギリソウには、同属の花がたくさんありますが、こちらも特別花言葉はつけられていないようです。
ノコギリソウの怖い花言葉
葉っぱ周囲に小さなギザギザがあり、ノコギリソウのようで、少し怖い印象を持つかもしれません。
また、花言葉に「戦い」と言ったものがあるため、怖いと感じる人もいるでしょう。
しかし、ノコギリソウが戦いの傷を癒すものということでつけられている花言葉で、怖い理由ではありません。
ノコギリソウの言い伝え
ノコギリソウには、学名「Achillea alpina(アキレア アルピナ)」の由来であり、花言葉にも深く関係するギリシャ神話がありました。
ギリシャ神話に登場するアキレスと言えば、唯一の弱点である、かかとを狙われ、命を落としたとされることで有名です。
このアキレスが、学名「Achillea」の語源となっています。
アキレスが命を落としたとされるトロイア戦争では、味方の兵士に多くの負傷者がでました。
そのときアキレスは、負傷した兵士の傷を治すために、ノコギリソウを使ったとされています。
このギリシャ神話から、「治癒」や「戦い」だけでなく、「忠実」、「勇敢」などの花言葉もつけられたそうです。
ちなみに、アキレスが使ったとされているノコギリソウは、「セイヨウノコギリソウ」と言われています。
ノコギリソウにも、風邪薬や下痢、傷、皮膚の炎症などの症状に効果があるとされています。
ノコギリソウは、小さな花がいくつも集まって咲くためとても華やかです。
「戦い」や「勇敢」といった花言葉があるため、これから何かに挑戦する人に、プレゼントすのも良いかもしれませんね。