ユリと言われると、白色のテッポウユリを思い浮かべるかもしれません。
ササユリは薄いピンク色のユリで、 1輪が大きな花です。
花が咲くまでに数年を要することが由来の花言葉もつけられていました。
目 次
ササユリとは
本州の西側や四国、九州などで自生します。
ササユリは害虫や成育環境の変化に弱い花です。
球根植物で、多年草の花ですが、種子が風によって飛ばされ広がった場合、発芽するまでに2年程度かかります。
さらに、花を咲かせるのは、種子が落ちてから7年以上もかかるそうです。
花の背丈は50~60㎝程度にまで成長します。
花は1輪が大きく、ラッパのような形をしています。
6枚の花びらに分かれ、花びらの先が反り返るのが特徴です。
花色は、薄いピンク色が一般的ですが、まれに白色のものも存在します。
花の中央から出るおしべは6本で、赤褐色のような色をしています。
花が開く姿が見られる時期は5月~7月ごろです。
ササユリの名前の由来
「笹百合(ササユリ)」は、葉っぱの形から名前がつけられています。
葉っぱの形が細長く、その姿が笹の葉っぱのように見えたことから、名づけられました。
西洋名は「bamboo lily(バンブー リリー)」です。
「bamboo」は、竹や笹を意味します。
西洋名も、葉っぱの形が笹に似ていることが由来となっています。
学名は「Lilium japonicum(リリウム ジャポニカム)」です。
ササユリが誕生花となる日にち
6月28日、7月15日
ササユリの花言葉
「上品」「清浄」「希少」が花言葉です。
「上品」「清浄」という花言葉は、ユリ全般的につけられています。
首を垂れて咲く姿が、つつましく、おしとやかな印象を与えることからです。
ササユリも、横向きにきれいな花を咲かせることから、「上品」や「清浄」という花言葉がつけられました。
「希少」という花言葉は、ササユリの特徴にあります。
ササユリは、種が飛ばされてから、芽が出て花が咲くまで何年もの期間が必要です。
他のユリと比べても、なかなか美しい花を目にすることができないため、「希少」という花言葉がつけられました。
ササユリの色別の花言葉
ササユリは薄いピンク色が一般的ですが、白色のものもまれにあります。
ササユリの色別の花言葉は、つけられていないようです。
しかし、大きなくくりのユリには、色別の花言葉があります。
ここでは、ササユリの花色である、白とピンクの花言葉を紹介します。
白色のユリは、「威厳」「純潔」という花言葉です。
西洋の花言葉は「majesty(威厳)」「viginty(純潔)」「purity(純粋)」です。
真っ白という言葉がピッタリな白色のユリは、混じり気のないことがわかるような花言葉がつけられています。
ピンク色は、「虚栄心」「wealth and prosperity(富と繁栄)」です。
「虚栄心」とは、実力以上の物を見せようとするという意味があります。
ピンク色に色づいた部分が、自分を良く見せようと着飾っている人のように、思えたのかもしれませんね。
ササユリの怖い花言葉
薄いピンク色がきれいなササユリには、おしとやかな女性を思わせる花言葉ばかりです。
怖い印象を与える花言葉は、つけられていないようです。
ササユリの雑学
ササユリは、主に西日本に分布しているユリです。
自生する土地によって、ササユリの特徴が少しずつ変化して、地域独特のササユリが存在します。
〈ヒロハササユリ〉
新潟から山口県の日本海側に分布するササユリです。
笹のような葉っぱの幅が3㎝程度で、長さが15㎝程度です。
花は一般的なササユリよりも大きく、10㎝以上になります。
〈ジンリョウユリ〉
徳島県にある神領村で自生するササユリ。
通常よりも花の色が濃く、花の大きさが他のササユリよりも小さいのが特徴です。
葉っぱの輪郭が白く縁どられます。
〈ニオイユリ〉
和歌山県と三重県からなる熊野の山の中に自生するササユリです。
通常のササユリよりも背丈が大きく、1m以上に成長します。
葉っぱは細長く、幅が1.0㎝程度です。
花の形や色はササユリと変わりませんが、甘い香りが強いのが特徴です。
他にも、高知県や愛媛県に分布する「フクリンササユリ」、徳島県の伊島にある「伊島ササユリ」、宮崎県の「ヒュウガササユリ」などがあります。
薄いピンク色の花が、きれいで美しいササユリ。
自生している地域も広いですが、種が落ちてから花が咲くまでに数年かかることから、なかなか目にすることはないかもしれません。
ササユリを見ることができたら、ラッキーかもしれませんね。