年末からお正月にかけてよく見かける葉牡丹は主に花よりも葉が観賞されます。
色や葉の形、巻き具合などそれぞれに違いがあり、見れば見るほど奥の深い植物です。
目 次
葉牡丹とは
葉牡丹はアブラナ科アブラナ属の多年草になります。
ひらひらとした葉が同心円状につき、開花時期は4~5月頃で黄色い小花が咲きます。
一般的には花よりも葉を楽しむ植物で、正月の門松や寄せ植えなどによく使われます。
葉の色は一番外側が緑、続いて白、中心がピンクのものが多いですが、緑とピンク、緑と白の二色のものもあります。
原産地はヨーロッパで、日本でも盛んに品種改良が行われてきました。
本来はキャベツやケールと同じ仲間になり、ヨーロッパでは食用もされていましたが、農薬がついていることも多く、現在日本では野菜としての位置付けはされていません。
寒さに強く育てやすい植物です。
【葉牡丹の種類】
「丸葉系」
一番オーソドックスな種類でキャベツに似ていて丸みがあります。
「ちりめん系」
葉はサニーレタスのように縮んでフリル状になっています。
「切り葉系」
葉に切れ込みが入っていて雪の結晶のようにも見えます。
葉牡丹の名前の由来
葉牡丹は名前の通り、葉が牡丹の花に似ていることからつきました。
別名で「牡丹菜(ボタンナ)」「花キャベツ」と呼ばれることもあります。
葉牡丹が誕生花となる日にち
11月27日、12月4日、12月13日、12月30日
葉牡丹の花言葉
葉牡丹の花言葉は「祝福」「愛を包む」「慈愛」「利益」です。
「祝福」の花言葉はお正月に縁起物として飾られることからついたようです。
「愛を包む」「慈愛」の花言葉は葉が何枚も重なっていることから、おくるみに優しく包まれている赤ちゃんに見立ててつけられたと言われています。
「利益」の花言葉は同じアブラナ科で形も似ているキャベツに「利益」という花言葉がついていることが由来となっています。
なぜキャベツに「利益」という花言葉がついているのかというと、昔中国の戦場でキャベツが貴重な食糧として育てられていたことが由来となっています。
また、葉だけに特化した花言葉で「物事に動じない」という花言葉もありますが、はっきりした由来はわかっていません。
ちなみに「ボタン(牡丹)」の花言葉は「富貴」「壮麗」「恥じらい」「誠実」などがあります。
葉牡丹の色別の花言葉
葉牡丹の色別の花言葉は特に無いようです。
葉牡丹の怖い花言葉
葉牡丹の怖い花言葉は特に無いようです。
葉牡丹の歴史
葉牡丹は日本へは江戸時代にオランダから伝わってきました。
当時は「葉牡丹」ではなく「オランダナ」という名前で知られていました。
1709年に刊行された「大和本草」の中で本草学者の貝原益軒(かいはらえきけん)は「葉は大きくて、艶がなく白っぽい。花はダイコンに似る。味は良い。」と記しています。
「味は良い」と書かれているので、おそらくキャベツやケールなどと同じように野菜として食べられたのでしょう。
また、この頃は古典園芸植物が流行していて、葉牡丹もその中の一つでした。
古典園芸植物とは日本で育成、改良され、独自の発展を遂げた園芸植物のことで、観賞用として愛好されてきました。
古典園芸植物には主に花を観賞するものと葉を観賞するものに分かれていて、葉牡丹は葉が観賞されていました。
葉牡丹以外で葉が観賞されていたものはオモト(万年青)、東洋ラン、マンリョウ、ヤブコウジ、ナンテン、カラタチバナ、イワヒバなど多くの植物があります。
そして、1778年に刊行された「本草正正譌(ほんぞうせいせいか)」では山岡恭安が「ボタンナ、一名ハボタン」と「ハボタン」の名前で記しています。
このように葉牡丹は古くから日本人に親しまれてきました。
葉なのに花のように華やかで、寒い冬の庭で見かけると、なぜか心がほっとするような植物ではないでしょうか。