▪はじめに
中国茶と聞くと、ウーロン茶やプーアル茶など、中国特有のお茶が思い浮かびます。
しかし、中国茶とは中国と台湾で作られたお茶全般を指していて、緑茶や紅茶なども中国茶に入ります。
そこで今回は、中国茶に関する記念日や中国茶の種類などについて詳しく紹介していきましょう。
目 次
中国茶の日とは
中国茶の日は、毎年7月8日にあります。
中国茶の日は、中国茶の消費拡大を図り、中国茶の関連連知識や情報を届けることなどを目的としたNPO法人日本中国茶協会のよって2007年(平成19年)10月26日に制定された記念日です。
日本中国茶協会とは、中国大陸及び台湾の地に産出する茶を中心とした、関連知識や情報を届け、正確な理解を深めていただきたいという思いから1997年に設立された団体で、中国茶や中国のお茶に関する公認資格取得のための講習会の開催、専門家同志の交流支援など、文化交流と文化振興に寄与する目的で活動を行っています。
▪意味
中国茶の日は、中国茶(お茶)を通し中国と日本の平和友好の更なる発展を祈念して制定されました。
▪由来
中国茶の日が7月8日にあるのは、中国語の「7(チ)」と日本語の「8(ヤ)」という語呂合わせが由来となっています。
▪イベント
日本では、昔から中国茶が愛飲されてきました。
そんな中国茶の愛好家が中心となって開催される日本最大級の中国茶イベントが「地球にやさしい中国茶交流会」通称「エコ茶会」です。
「エコ茶会」は、毎年11月の第2土曜日と日曜日に行われており、中国茶専門店などが一堂に会するイベントとなっています。
このイベントでは、多くの中国茶専門店や茶器店、雑貨店などが出店し、お店によってはお茶の試飲を行っている所もあります。
また、茶席やセミナーなども行われていて、毎年多くのお茶好きの人たちが参加しています。
また「エコ茶会」では、「地球にやさしい」の名のもとに「参加者が(試飲用の)茶杯を持参すること」というルールが設けられています。
また、エコバックの持参も呼びかけているので、イベントに参加する場合はこの2点を持っていくようにしてください。
オンラインでもお茶を購入することができるので、中国茶に興味のある方はぜひ参加してみてください。
地球にやさしい中国茶交流会公式サイト https://ecochakai.jp/
中国茶の雑学
<中国茶の種類>
お茶は中国が発祥とされ、神話の時代から飲み始められたといわれているくらい歴史の古い飲み物です。
日本で中国茶というと、ウーロン茶やプーアル茶、ジャスミン茶などがよく知られていますが、緑茶や紅茶などの産地としても有名です。
その他にも中国では多くの種類のお茶が作られているため、「緑茶」「白茶」「黄茶」「青茶」「紅茶」「黒茶」の6種類の色で分類しています。
色の違いは発酵度合いの違いで、「緑茶」→「白茶」→「黄茶」→「青茶」→「紅茶」の順に高くなっています。
また、「黒茶」は微生物によって発酵されたお茶です。
それぞれのお茶の特徴は次のようになっています。
緑茶(りょくちゃ・リョウチャ)
不発酵茶。
茶葉を摘んですぐに釜炒りで熱を加えて発酵を止め、茶葉を揉んだ後に乾燥させたお茶です。
中国で最も多く生産・消費されています。
茶葉は緑色で茶湯は黄色味を帯びた緑色、若草や豆のような香りが特徴です。
白茶(しろちゃ・パイチャ)
弱発酵茶。
芽吹いたばかりで白い毛(白毫)が取れてないうちに摘み取った茶葉を、室内または室外で晒して水分を飛ばし、少しだけ発酵を進めた(萎凋:いちょう)後、火で炙って乾燥させたお茶です。
福建省で多く作られています。
淡いオレンジ色の茶湯と果物のような香りが特徴です。
黄茶(きちゃ・ファンチャ)
弱後発酵茶。
摘んだ茶葉に熱を加えて発酵を止めた後、高温多湿の状態にして茶葉の成分に変化を起こしてから乾燥させたお茶です。
とても希少なお茶で、茶葉と茶湯が黄色いのが特徴です。
青茶(あおちゃ・チンチャ)
半発酵茶。
青茶とは烏龍茶のことです。
茶葉が、発酵した部分の褐色と発酵していない部分の緑色が混じって青っぽく見えることから「青茶」と呼ばれています。
摘んだ茶葉を屋内または屋外で晒して水分を飛ばし、少し発酵を進めた後、竹かごや円筒型の撹拌機に茶葉を入れて回転させて葉の細胞を壊して発酵を促します。
攪拌して茶葉の周りが赤褐色で中心部分が緑色の状態(半発酵)で熱を加えて発酵を止め、茶葉を揉み込みます。
中国では揉み込んだ後、火で炙って乾燥させますが、台湾では揉んだ後、茶葉を大きな布で包み茶葉をボール状にしてから乾燥させます。
黄褐色の茶湯と花や果物のような香りが特徴です。
紅茶(こうちゃ・ホンチャ)
発酵茶。
摘んだ茶葉を屋内または屋外で晒して水分を取った後、しっかりと揉み込んで葉の細胞を壊し発酵を促します。
揉み込んで葉の形を整えた後、湿度90%に近い発酵室で発酵させ、茶葉の色が赤褐色に変わったら茶葉を乾燥させたお茶です。
茶葉・茶湯ともに赤褐色で花や果物のような香りが特徴です。
黒茶(くろちゃ・ヘイチャ)
後発酵茶。
熱を加えて発酵を止めた後揉み込んだ茶葉を、積み重ねて湿った布などを被せたりして微生物を植え付け発酵させてから乾燥させたお茶です。
中国の代表的な黒茶はプーアル茶で、血圧を下げたり動脈硬化を防いだりする効果があるとされ、日本ではダイエット用としても人気があります。
光沢のある黒い茶葉と褐紅色の茶湯で、漢方薬のような香りが特徴です。
これらの他にも、ジャスミンやバラなどで香りを付けた「花茶」や茶葉と食用の草花を原料としお湯を注ぐと茶湯の中で花が開く仕掛けになっている「工芸茶」もあります。
<日本の緑茶と中国の緑茶の違いとは>
緑茶は、奈良・平安時代に中国から日本に伝わったとされています。
日本に伝わった後、緑茶は中国と日本でそれぞれに独自の発展をし、日本と中国の緑茶には味や香りに違いが見られるようになりました。
その理由は、それぞれの国の製法の違いにあります。
日本の緑茶は、発酵を止めるために摘んだ茶葉を100度の蒸気で蒸します。
この方法は、茶の木の種を日本に持ち帰った栄西が中国で学び日本に伝えた製法で、日本に伝わって以来変わっていないとされています。
茶葉を蒸すことで茶湯は緑色になり、旨味が強くコクのある味わいとなります。
中国の緑茶は、発酵を止めるために摘んだ茶葉を80度の釜に押し付けて炒ります。
中国でも明の時代までは茶葉を蒸す製法がとられていましたが、お茶に関する法律が変わり、中国で昔から飲まれていた団茶(茶葉を蒸した後突き固めて乾燥させたお茶)がお茶の味を損ない手間もかかることから禁止となったことをきっかけに、釜入りの製法が一般的となりました。
茶葉を炒ることにより、中国の緑茶の茶湯は黄色味が強い緑色になり、香り高く酸味や渋みが強めのキレのあるふくよかな味わいになります。
また、中国では見た目も重視され、茶葉をひねってらせん状にしたり縛って球状にしたりしています。
どちらの緑茶も美味しいのですが、旨味などのお茶の味を楽しみたい方は日本茶、香りや見た目を楽しみたい方は中国茶がおすすめです。
▪まとめ
中国茶は昔から日本でも親しまれてきた飲み物です。
緑茶は中国から製法が伝わったものなのに、現在では日本違う製法で作られていて、味わいが違うことに驚きました。
中国茶の日には、烏龍茶やジャスミン茶などの中国独自のお茶や中国の緑茶も味わってみてはいかがでしょうか。
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