▪はじめに
プリン体とは、あらゆる生物に含まれるもので、細胞の代謝や増殖などに使われる生き物にとって重要な成分の1つです。
しかし、摂り過ぎたりうまく排泄されず体内に蓄積されたりすることで高尿酸血症や痛風などを引き起こす原因となってしまう成分でもあります。
病気を引き起こさないためにプリン体のことを深く知るきっかけになるよう制定されたのが、プリン体と戦う記念日です。
目 次
プリン体と戦う記念日とは
プリン体と戦う記念日は、毎年4月7日にあります。
この記念日は、乳製品や菓子、加工食品などを製造販売している株式会社明治が、「プリン体と戦う乳酸菌」をキャッチコピーとする「PA-3乳酸菌」を使用したヨーグルト「明治プロビオヨーグルトPA-3」を2015年(平成27年)のこの日に発売したことを記念して制定されたものです。
▪意味
プリン体と戦う記念日には、この記念日をきっかけにプリン体への理解を深め、より健康的な食生活を送ってもらうという目的があります。
▪由来
プリン体と戦う記念日は、2015年(平成27年)4月7日に、「プリン体と戦う乳酸菌」をキャッチコピーとする「PA-3乳酸菌」を使用したヨーグルト「明治プロビオヨーグルトPA-3」を発売したことに由来して制定された記念日です。
▪イベント
プリン体と戦う記念日に関したイベントは、残念ながら見つけることができませんでした。
プリン体の雑学
<尿酸値を下げるには生活習慣を整えることが大切!>
一般的にプリン体は病気の原因となるため体に悪いという印象が強いですが、プリン体を取り過ぎるとなぜ体によくないのでしょうか?
プリン体そのものは体に悪いものではなく、むしろ人間やその他の生き物にとって必要な成分なのです。
しかも、プリン体は人間の体内でも作られる成分で、細胞の代謝や増殖などを助ける働きを持つ重要な成分です。
問題なのは、プリン体が分解されてできる「尿酸」という老廃物です。
プリン体は肝臓で分解されて尿酸に変化し、尿や便として体外に排出されます。
しかし、排出される量は1日約700㎎となっていて、それ以上の尿酸は血液中に溶け込みます。
血液中の尿酸がさらに増えると、結晶化して足の親指などの関節に留まって炎症を起こし、激痛を感じるようになります。
これが「痛風」です。
人間が体内で作るプリン体は全体の約80%で、残りの20%を食べ物から摂取しています。
ですから、プリン体を多く含む食べ物を食べ過ぎると、体内に尿酸が溜まりやすくなってしまうのです。
しかし、血液中の尿酸値が高くなる原因は、プリン体を取り過ぎるだけでなく、次のような生活習慣の乱れも大きく関係しています。
・肥満
肥満になると、プリン体を体内で多く作られるようになってしまいます。
また、尿酸の排泄機能も低下する傾向にもなるので、肥満の人は脂肪や糖分の摂取を控えて体重管理を行うことが重要です。
・バランスの悪い食事
血液中の尿酸値が高くなると尿が酸性に傾きやすくなり、尿酸が排出されにくくなります。
ですから、プリン体を多く含んだ食べ物を食べ過ぎるだけでなく、尿をアルカリ性にする野菜や海藻類などをたくさん取り入れたバランスの良い食事を摂るようにしましょう。
・ストレス
ストレスが溜まったり仕事などで脳を使いすぎたりすると尿酸値が高くなるとされています。
ストレスをため込まないように、リラックスできる時間を持つようにしましょう。
・無酸素運動
肥満防止やストレス解消には運動をすることをおすすめします。
しかし、筋力トレーニングや短距離走などの短時間で激しい運動は、酸素を使わず糖を使って筋肉を動かすエネルギーを作り出す(無酸素運動)ため、新陳代謝を活発化して尿酸値を上昇させてしまいます。
ですから、運動をするときはウォーキングや水泳などの体脂肪をエネルギー源とする有酸素運動をするようにしてください。
これら以外にも、尿酸値が高くなる原因として遺伝的な要因もありますが、尿酸値を上げないまたは下げるには生活習慣を整えることが重要なポイントなので、尿酸値が高めの人は気を付けるようにしましょう。
<プリン体が多く含まれた食べ物とは?>
尿酸値を上げないようにするためには、プリン体を取り過ぎないようにすることが有効な予防法の1つです。
高尿酸血症や痛風を予防するためには、プリン体の1日の摂取量400㎎までが目安となっています。
とくに高尿酸血症や痛風の治療を行っている人はプリン体が多く含まれる食品を控えて、1日400㎎を超えないように注意してください。
プリン体を多く含む食品には次のようなものがあります。
・レバー類:210~320㎎/100g
・白子:300㎎/100g
・アンコウの肝(酒蒸し):399㎎/100g
・エビ:145~270㎎/100g
・カツオ:211㎎/100g
・マイワシ:210㎎100/g(干物:305㎎/100g)
・マアジ:165㎎/100g(干物:245㎎100/g)
・サンマ:154㎎/100g(干物:208㎎/100g)
・牡蠣:184㎎/100g
・明太子:159㎎/100g
・煮干し:746㎎/100g
・かつお節:493㎎/100g
・干し椎茸:379㎎/100g
プリン体は、レバーや白子などの内臓系や魚介類に多く含まれます。
干物になると水分量が減り、プリン体が多くなるので食べる量を減らすとよいでしょう。
さらに、クロレラ(3182㎎/100g)ビール酵母(2995㎎/100g)などの健康食品にも多く含まれており、1日の摂取量でも約200㎎になるものもあるので注意してください。
また、プリン体の代表のように扱われているビールですが、含有量は缶ビール1缶(350ml)あたり12~25㎎、大瓶1本(630ml)あたり21~44㎎、地ビール1本(330ml)あたり19~55㎎となります。
もちろんたくさん飲めばプリン体摂取量も増えますが、1缶ずつでも毎日飲むと尿酸値が上昇すると報告されているので、飲まない日を作るのも重要です。
逆に尿酸値を下げる食品として、ヨーグルトや牛乳などの乳製品や、ビタミンCを多く含んだジャガイモやキャベツなどの野菜類、ミネラル類を多く含んだ海藻類などがあります。
また、尿酸は大半が尿と一緒に排出されるので、1日1.5~2ℓを目安に水分を摂るようにしましょう。
なかでも緑茶やコーヒーは利尿効果があるのでおすすめです。
これらの食品を毎日の食事に取り入れて尿酸値の正常なバランスを保つように心掛けてください。
▪まとめ
昔は痛風はプリン体を多く含む美味しいものを飲み食いできるお金持ちがかかりやすい贅沢病だといわれていました。
しかし現代の日本は飽食の時代といわれ、昔よりも気軽にプリン体を多く含んだ食品を食べる人が増えています。
さらに年を取ると尿酸が排出されにくい体になるので、常日頃からプリン体に気を付けた生活を送るようにしましょう。
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