「8月30日 リマのローザの日」
■はじめに
「聖人」と書いて、キリスト教では「せいじん」と読み、仏教では「しょうにん」と呼ぶそうですが、その他イスラム教やユダヤ教、儒教などの宗教の中で教祖あるいは崇拝の対象となる人物が「聖人」とされています。
人格高潔な一般人に対しても使われますが、どこか皮肉交じりに聞こえてしまいます。
目 次
リマのローザの日とは
8月30日は「リマのローザの日」ですが、これだけではキリスト教関係者以外は何の記念日かわからないだろうと思います。
ペルーのリマで生まれたローザ(1586~1617)はカトリックの聖人で、アメリカ大陸初の聖人になります。
ただし8月30日を「リマのローザの日」としているのは母国ペルーだけで、他国では彼女が亡くなった前日の8月23日としています。
なぜ当日ではないのかと言うと、24日は別の聖人バルトロマイの祝日と重なってしまうからだそうです。
ローザの誕生日は4月20日で、他に日付が明確な来歴もなく、ペルーだけが30日の理由は結局のところわかりませんでした。
■リマのローザの日の意味と由来
イザベル・フローレス・デ・オリバ(Isabel Flores de Oliva)がローザの本名で、ローザという名前はバラのように美しい少女だったことから付けられました。
「リマのローザ」と呼ばれたのは他にもローザ名前の聖人がいたためですね。
■リマのローザの日のイベント
「リマのローザの日」はペルーでは「サンタ・ロサの祝日」とされ、日本のペルー大使館もお休みになっていますね。
「サンタ・ロサの祝日」の前日にはロサの聖体を安置するサント・ドミンゴ教会から大聖堂までの「聖行列」が始まって、30日に盛大なミサが執り行われます。
リマのローザの日の雑学
▽「サンタ・ロサの奇跡の井戸」
リマ旧市街の歴史地区には「サンタ・ロサの奇跡の井戸」があって、ローザが起こした奇跡にあやかるために、願い事を書いた手紙をこの井戸に投げ込む風習があります。
ある日、ローザは自分の体を痛めることで少しでも神に近づこうと、ベッドの上にガラス片を置いて体にも重い鎖を巻き付け、その鎖に錠をかけてカギを井戸に投げ捨ててしまいます。
しかし、耐え難い痛みと苦しさのあまり聖母マリアに祈りを捧げた途端、錠は自然に壊れて鎖が外れたと伝えられるのがサンタ・ロサの奇跡です。
今では時代を反映して、メールで願い事を受け付ける「バーチャル・ポスト」が数年前に設けられ、教会が印刷して井戸に投げ入れてくれることになりました。
▽ローザの苦行
敬虔なカトリック信者の両親に育てられたローザは、物心がつくころになると贖罪や犠牲の精神を説く天の声を聴くようになり、ケガでも泣かずに耐え、少しのパンと水だけで過ごすなどの苦行の日々を送るようになりました。
この苦行は年を経るごとに激しくなり、自分の美しさが人の心を惑わさないように胡椒を顔に塗ったり、髪を切り落としたりもしました。
さらには山小屋のような離れにこもって、1日に10時間祈り、10時間を家事労働に充て、睡眠はわずか2時間という毎日で、それに加えて大きく重い十字架をかついで庭を歩き回る苦行の日々を続けています。
やがて峻烈な苦行は、主にあやかろうと鞭と茨の冠で体を痛め、生石灰で手を焼くなどの苦痛を主に捧げるまでに至りますが、長年の並外れた苦行はローザの健康をむしばみ、31歳の若さで眠るがごとくの大往生を遂げました。
ローザの死から54年後の1671年、教皇クレメンス10世によってローザはアメリカ大陸最初の聖人として列聖されました。
■最後に
日本にも「日本二十六聖人」と呼ばれるカトリック教会によって列聖された聖人がいました。
海外では「聖パウロ三木と仲間たち」と呼ばれる26人のカトリック信者で、1597(慶長元)年2月5日に豊臣秀吉によって長崎で磔の刑に処されています。
26人は通常の処刑場ではなく、キリストが処刑されたゴルゴタに似た丘を望んで処刑されました。
最後の一瞬までキリスト教徒であるという矜持を感じます。
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