タンポポのような、鮮やかな黄色の花をもつタンジー。
日本では、タンジーよりも、ヨモギギクという名前が知られています。
タンジーは古くから虫よけとして利用されるだけでなく、香りを楽しむものとして親しまれていました。
目 次
タンジーとは
タンジーは古くからハーブとして親しまれている植物です。
ヨーロッパや中央アジアなど、幅広い地域が原産の多年草です。
日本には、タンジーの変種である「エゾヨモギギク」が、北海道に分布しています。
葉っぱは深い切り込みがいくつも入り、シダ植物のような形です。
甘さの中に苦さを交えたような香りがします。
茎が先端の近くで複数に分かれ、たくさんの丸い形の花をつけます。
花色は黄色で、開花期は8月~9月です。
ハーブやポプリなど、香りを楽しむもので、活用されるタンジー。
葉っぱは6~9月、花は開花期と同じ8~9月が、収穫期と言われています。
タンジーの名前の由来
「Tansy(タンジー)」は西洋名です。
古代文明のころは、亡骸の腐敗を防止するために、タンジー使われたそうです。
そのため「不死」を表すギリシャ語の「Athanasia(アタナシア)」から変化し、タンジーとなったと考えられています。
また、西洋名には「Golden buttons(ゴールデン ボタンズ)」という呼び方もあります。
鮮やかな黄色の花がボタンのように見えることが由来です。
日本では、「蓬菊(ヨモギギク)」という名前で親しまれています。
ヨモギのような香りがすることが理由です。
学名は「Tanacetum vulgare(タナセイム ヴルガレ)」です。
「tanazeta」というラテン語が変化したと言われています。
タンジーが誕生花となる日にち
8月12日、 8月27日、11月7日
タンジーの花言葉
「婦人の美徳」「平和」「抵抗」「あなたとの戦いを宣言する(宣戦布告)」「滅びることのない愛」などがタンジーの花言葉です。
西洋の花言葉は「I declare war against you(あなたとの戦いを宣言する)」、「resistance(抵抗)」などです。
防虫剤や駆虫薬に使われるほど、虫が寄り付きません。
そのことたら、幼い頃から立ち振る舞いが美しく、悪い男を寄せ付けないような女性にたとえられ、「婦人の美徳」とつけられたのでしょう。
また、「抵抗」「あなたとの戦いを宣言する」「I declare war against you(あなたとの戦いを宣言する)」「resistance(抵抗)」なども、虫よけの効果が由来していると言われています。
「滅びることのない愛」は、名前の由来である、亡骸の腐敗を防止に利用したことが関係していると考えられています。
タンジーの色別の花言葉
タンジーの花は黄色のみです。
そのため、色別の花言葉はつけられていないようです。
タンジーの怖い花言葉
虫よけの効果があるタンジーは、「抵抗」や「平和」だけでなく、「敵意」「宣戦布告」といった、少し悪い印象の花言葉もつけられています。
「敵意」と言われると、どこか威圧感があり、近寄りがたく感じてしまいますね。
タンジーの言い伝え
タンジーには、みずがめ座に関係するギリシャ神話があります。
ある少年はとても美しい、王子でした。
美しい少年を見た、神様であるゼウスは、神々の世界に少年を連れてきます。
ゼウスは神々の世界で、少年にお酌をさせるために連れてきました。
少年にずっとお酌をさせるために、タンジーの煮汁を飲ませました。
すると少年は不老不死になったと言われています。
みずがめ座はこの少年の姿をしているそうです。
昔は虫よけ以外にも、食べ物の香りづけに使われていました。
今は、香りを楽しむ香水やポプリ、虫よけなどの防虫剤、駆虫薬などに利用されます。
根、茎、葉っぱ、花全体は毒性が強いです。
服用するとけいれんや嘔吐、子宮出血などが報告されています。
このような作用があることから、昔は堕胎薬として西洋で用いられていました。
現在は香りを楽しむ以外に、花壇に植えるなどの園芸や、花束、ドライフラワーなど、観賞用として用いられることが一般的です。
食用にされることはありません。
ヨモギギクという名前から、ヨモギのように食べられると勘違いしてしまいそうなタンジー。
誤って食べてしまうと、命の危険もあります。
香りの良さと可愛らしい花を、楽しむだけにしましょう。