扇を大きく広げたような形の花を、茎にいくつもつけるモントブレチア。
暖色系の花色がつきますが、茎が首をたれ、花が下向きにつくことで、おしとやかな印象もあたえます。
そんなモントブレチアは、少し厄介な花としても、とらえられています。
目 次
モントブレチアとは
6月から8月に、赤やオレンジ色の花を咲かせるモントブレチア。
花は茎の先に連なっていくつも咲きます。
6枚の花びらから形成され、下向きに咲くのが特徴です。
葉っぱが細長く、40㎝以上に大きさになります。
花の背丈も1m以上に育つものが多いです。
春に植える球根植物で、冬には土の上部分を枯らします。
翌年にはまた、花を咲かせる宿根草。
原産は南アフリカで、暑さには強いです。
日本は、地中の中で球根が凍らない地域であれば、宿根草として育てることができます。
モントブレチアの名前の由来
「montbretia(モンドブレチア)」という名前は西洋名です。
モントブレチアは、ヒオウギズイセンとヒメトウショウブを交配させた品種です。
交配を行ったのが、フランスの植物学者である「Ernest Coquebret de Montbret(コクベール・ド・モンブレ)」と言われています。
彼の名前から、「モントブレチア」とつけられたそうです。
西洋名には「crocosmia(クロコスミア)」という別名もあり、学名でもあります。
サフランの意を持つ「krokos(クロコス)」と、香りの「osme(オスメ)」の2つのギリシャ語からなります。
モントブレチアは乾燥させた花を、お湯につけるとサフランに似た香りがすると言われ、これに由来するそうです。
和名は、「姫檜扇水仙(ヒメヒオウギズイセン)」と呼ばれます。
これは、ヒオウギズイセンとヒメトウショウブ2つの交配種であることと、ヒオウギズイセンに似ていて、小さい株だったことからつけられています。
モントブレチアが誕生花となる日にち
6月25日、8月15日、9月4日
モントブレチアの花言葉
「謙譲の美」「陽気」「素敵な思い出」「芳香」などがモントブレチアの花言葉です。
また、西洋の花言葉には「pleasant memories(楽しい思い出)」とつけられています。
下向きに花を咲かせる花姿が、へりくだっているように見えたことから「謙譲の美」とつけられました。
「陽気」「pleasant memories(楽しい思い出)」 などは、茎の先にたくさんの花が次々と咲くことと、明るい花色から楽しそうな印象を受けたためつけられたそうです。
また、別名のクロコスミアの由来からも分かるように、乾燥させお湯につけると香りがあります。
このことから「芳香」という花言葉がつけられました。
モントブレチアの色別の花言葉
モントブレチアは、赤やオレンジ、黄色などの花色がありますが、色別の花言葉はつけられていないようです。
モントブレチアの怖い花言葉
明るい花色や、たくさん花がつくモントブレチアには、怖い印象の花言葉はないようです。
モントブレチアの似ている花
ヒメトウショウブとヒオウギズイセンの交配種であるモントブレチア。
どちらもアヤメ科ヒオウギズイセン属の花です。
ヒオウギズイセンには、「豊かな心」、「知性」といった花言葉がつけられています。
ヒオウギズイセン
また、モントブレチアの花は、ヒオウギの花によく似ているとよく言われます。
ヒオウギはアヤメ科ヒオウギ属の花で、宿根草です。
原産は中国や日本などと言われています。
花の違いは、ヒオウギが上向きに花開くことです。
モントブレチア、ヒオウギともに、扇を広げたような形をしていることから名づけられたとも言われています。
ヒオウギの花言葉は、「誠意」や「個性美」です。
さまざまな土地に根付いているモントブレチアですが、繁殖力が強いことでが、世界中で野生化しています。
特に佐賀県では条例により、花を栽培することが禁止されています。
明るい花色が特徴で、茎の先にたくさんの花をつけるモントブレチア。
「素敵な思い出」や「陽気」など、良い印象の花言葉が多い一方で、花が増えすぎることが問題となっています。
個人で育てるのは良いかもしれませんが、増えすぎないようにしっかりと管理することが必要ですね。