フロックスという花名はあまり馴染がないかもしれません。
キキョウナデシコやシバザクラと言った花は、分かる人も多いでしょう。
1つの茎にたくさんの花が咲くフロックスは、プロポーズにかかせない花でした。
目 次
フロックスとは
ハナシノブ科フロックス属の花で、品種によって多年草や一年草、宿根草などに分類されます。
世界中でたくさんの品種が栽培されるフロックスは、原産は北アメリカ。
品種は60種以上あることが知られており、そのうちの1種はシベリアが原産と言われています。
フロックスは日本でも、もちろん栽培されています。
日本の栽培地域は、東北や北関東などの山岳地域が多いです。
日本で良く知られている品種は、「クサキョウチクトウ」、「キキョウナデシコ」、「ツルハナシノブ」、「シバザクラ」などです。
多くのフロックスは寒さには強い植物ですが、暑さに弱い傾向があります。
そのため、関東より南の地域では、成育が難しいです。
フロックスは、40㎝から120㎝の草丈に成長します。
茎は途中で枝分かれすることなくまっすぐと伸び、先端で複数に分岐。
花は5枚の花びらから構成され、太陽に向かい花開きます。
開花期は品種により異なり3月から11月と幅広いです。
花色は白や藤色、ピンク、オレンジ、紫など種類が豊富です。
フロックスの名前の由来
学名の「Phlox(フロックス)」は、ギリシャ語で炎の意味がある「phlogos」からつけられました。
フロックスの花は1つの茎の先に、たくさんの花が開きます。
赤やピンク、白色の花が、火が燃えているように見えたのでしょう。
フロックスの種類と名前の由来
【クサキョウチクトウ】
日本でもなじみ深い「草夾竹桃(クサキョウチクトウ)」は、明治時代につけられました。
「クサキョウチクトウ」と言われていたゆえんは、葉っぱや花の見た目が、インド原産で有毒な「夾竹桃(キョウチクトウ)」に似ていたためです。
その後、クサキョウチクトウという名前が長いため、「花魁草(オイランソウ)」という名前が定着しました。
花の香りがおしろいの香りに似ていることが、「オイランソウ」の由来です。
戦後「花魁(オイラン)」という言葉のイメージが良くないということで、学名である「Phlox paniculata(フロックス パニキュラータ)」と呼ばれるようになりました。
クサキョウチクトウの西洋名にも、「phlox」という単語が使われており、「garden phlox(ガーデン フロックス)」です。
【キキョウナデシコ】
「桔梗撫子(キキョウナデシコ)」は、ナデシコのように花びらのフチがギザギザしているものや、キキョウのような花の形をしているため、名づけられました。
近年は、キキョウ科、ナデシコ科どちらにも属さないことから、学名の「Phlox drummondii(フロックス ドラモンディ)」と言われることが多いです。
【ツルハナシノブ】
日本の固有種である「花忍(ハナシノブ)」の花に似た花をつけることから、名づけられた「蔓花忍(ツルハナシノブ)」。
名前の通り、ツルを伸ばすことが特徴です。
学名は、「Phlox stolonifera(フロックス ストロニフェラ)」です。
【シバザクラ】
「芝桜(シバザクラ)」は、サクラに似た花を、芝生のように一面に咲かせることから名づけられました。
別名には「花爪草(ハナツメクサ)」です。
西洋名には苔状のフロックスという意味の「moss phlox(モス フロックス)」とつけられています。
フロックスが誕生花となる日にち
5月2日、7月14日、8月4日、8月24日
フロックスの花言葉
「合意」「一致」「協調」などが、フロック全体の花言葉です。
西洋の花言葉には「harmony(調和)」、「our souls are united(私たちは魂で結ばれている)」などがつけられています。
どの花言葉からも、花がまとまって咲いている様子が想像できます。
実際にフロックスは、1つの茎にたくさんの花がまとまってつく花です。
特に「our souls are united(私たちは魂で結ばれている)」などは、1本の茎の先端から、細かく枝分かれし花が咲く姿から、つけられたのでしょう。
フロックスの色別の花言葉
フロックスにはピンクや白、赤、紫などたくさんの花色がありますが、色別の花言葉はつけられていません。
フロックスは、種類ごとに花言葉が異なります。
クサキョウチクトウには、「温和」「同意」などという花言葉がつけられています。
キキョウナデシコは、「あなたの望みを受けます」という花言葉です。
青色が特徴的なツルハナシノブには、「清楚」や「敬愛」、「謙遜」などといった控えめな印象の花言葉がつけられています。
サクラが見ごろの時期に咲くシバザクラは、「合意」「臆病な心」などです。
フロックスの怖い花言葉
1つにまとまって花を咲かせるフロックス。
互いに身を寄せ合っている様子が伝わる花言葉ばかりです。
品種別の花言葉も、素敵なものが多く、怖い印象の花言葉はつけられていないようです。
フロックスのはプロポーズの花
フロックスはたくさんの花が、身を寄せあって咲きます。
イギリスでは、プロポーズのとき思いを寄せる女性に、フロックスの花を贈ります。
女性がフロックスの花を受け取ると、プロポーズを受けたことになるそうです。
フロックスの花が使われる理由はわかりませんが、「our souls are united(私たちは魂で結ばれている)」という花言葉が関係ありそうですね。