色染めしたように鮮やかな花穂をもつケイトウ。
鉢植えとして栽培されることも多いですが、ドライフラワーにしても発色がきれいで人気です。
目 次
ケイトウとは
暖かみのある色合いの花が咲くケイトウ。
花色は赤やピンク、オレンジ、白、紫、黄色などがあります。
インドやアフリカ、アジアなど熱帯の地域が原産の一年草です。
日本に伝えられたのは奈良時代のことで、今では園芸種として、花壇や鉢植えなどで楽しまれます。
熱帯の地域で自生するため、暑さには強いですが、寒さに弱いです。
ケイトウはヒユ科ケイトウ属の花で、60種程度の品種があります。
花穂が特徴的な形をしており、形の違いから5つに分類されます。
【トサカ系・クリスタータ系】
花穂がニワトリのトサカのような形と表現される品種です。
ケイトウと言えば、この品種を指すことが一般的。
【久留米ゲイトウ系】
トサカ系やクリスタータ系と同様に、1つ1つの花穂はニワトリのトサカのような形です。
花穂のボリュームが大きく、重なり合い、球状の形を作り出します。
【ヤリゲイトウ系・キルドシー系】
ヤリのように先が尖った花穂が特徴で、ロウソクのような形です。
「キャンドルタイプ」といった別名もつけられています。
【プルモーサ系・羽毛ゲイトウ系】
ふさふさで柔らかそうな見た目の花穂が印象的な品種です。
【ノゲイトウ系】
炎のような形の花穂が、まっすぐ伸びた茎の先につき、炎のようです。
ケイトウの名前の由来
「鶏頭(ケイトウ)」は和名で、花穂の形に由来します。
花穂がニワトリのトサカのように見えることから名づけられました。
西洋名も同じ理由で、ニワトリのトサカの意味がある「Cockscomb(カクスコウム)」という名前がつけられています。
ロウソクの炎のような形をしているケイトウ。
学名には「Celosia argentea(セロシア アルゲンティア)」とつけられています。
「Celosia」には、燃焼という意味があることからつけられたそうです。
ケイトウが誕生花となる日にち
8月24日、8月29日、9月5日、9月8日、10月5日
ケイトウの花言葉
「おしゃれ」「個性」「色あせぬ恋」などが花言葉です。
西洋の花言葉は「foppery(男性のおしゃれ)」などがあります。
ケイトウの花はニワトリのトサカに見えると言われます。
ニワトリのトサカは威嚇やメスへのアピールに使われます。
このことから、「おしゃれ」や「foppery(男性のおしゃれ)」という花言葉になりました。
他の花にはない、独特の花の形から、「個性」とつけられています。
また、ケイトウの花は、時間がたっても色あせません。
長期間楽しめることから、「色あせぬ恋」とつけられたようです。
ケイトウの色別の花言葉
炎のように見えるオレンジや黄色、ニワトリのトサカに見える赤、他の花との相性がいいピンクや白などさまざまな花色があります。
それぞれの見た目に合わせて花色がつけられて良そうですが、花色別の花言葉はないようです。
ケイトウの怖い花言葉
怖い花言葉ではありませんが、「気取り屋」や「風変り」といったあまり良くないイメージの花言葉もつけられています。
「気取り屋」という花言葉は、ニワトリのトサカからつけられています。
大きなトサカを見せびらかすようにして、気取っている男性のように見えたのでしょう。
「風変り」は、「個性」という花言葉からできたようで、変わった見た目の穂が由来になったそうです。
ケイトウは万葉集にも出てくる花
ケイトウはインドやアフリカ、アジアなどが原産の花で、日本には中国から伝えられました。
奈良時代に伝えられた時には、「韓藍(カラアイ)」という名前でした。
「カラアイ」という名前は、染物に使われていたことが由来と言われています。
染料として利用されていたケイトウは、万葉集でも詠まれていました。
「我が屋戸に 韓藍蒔き生きほし枯れぬど 懲りずてまたも蒔かむとぞ思う」
この詩は山部赤人が詠んだ詩とされています。
炎のような恋と、その恋が失恋してしまったことにかけて詠んだそうです。
万葉集が詠まれていた時代から、花言葉のように恋心を表す花であったことがわかりますね。
暖かみのある色合いの花が多く、さまざまな用途で利用されるケイトウ。
ふわふわの花穂は柔らかそうで、つい触ってみたくなりますね。
日本には、ケイトウの花畑もあるので、1度行ってみてはいかがですか。