ビタミンなどの栄養が豊富な蜜柑は古くから日本で親しまれてきた果物です。
食べるだけでなく、爽やかな香りや白い花も心和ませてくれます。
目 次
みかん(蜜柑)とは
蜜柑はミカン科ミカン属の常緑小高木です。
日本の暖かい地域で育てられ、高さはおよそ3mほどになります。
5月頃に5枚の花びらからなる白い花を咲かせます。
9~12月頃になると扁球形の果実がなり、緑色から次第に橙黄色へと変わっていきます。
多くの品種がありますが、日本では蜜柑と言うと主にウンシュウミカン(温州みかん)のことを指します。
ウンシュウミカンの産地は和歌山県、愛媛県、静岡県などが有名です。
みかん(蜜柑)の名前の由来
蜜柑(みかん)は元々は「みっかん」と呼ばれていたものが「みかん」に変化していったと言われています。
「みっかん」の由来ははっきりしたことはわかっていませんが「3日」という言葉と関係があるのではないかという説があります。
「蜜柑」という漢字は室町時代に中国から渡ってきた品種がとても甘かったことから、蜜のように甘いという意味で「蜜柑」という漢字になりました。
日本では外皮が薄黄色で酸味の強い「薄皮蜜柑」は「柑子(コウジ)」と呼ばれています。
また「温州みかん」の名前は柑橘類が盛んに栽培されていた中国浙江省の「温州」という地名が由来とされています。
みかん(蜜柑)が誕生花となる日にち
9月7日、11月23日、12月16日
みかん(蜜柑)の花言葉
蜜柑の花言葉は「純粋」「愛らしさ」「花嫁の喜び」です。
「純粋」「愛らしさ」の花言葉は蜜柑が可愛らしい白い花を咲かせることからつきました。
蜜柑の花は見た目がジャスミンにも似ていて、よい香りもします。
果物として食べるだけではなく、観賞するのも良いですね。
「花嫁の喜び」の花言葉はヨーロッパでは同じ柑橘系であるオレンジが、花嫁の守り神とされてきたことが由来となっています。
結婚式にはオレンジの花を髪に飾ったり、婚約のプレゼントで男性が女性にオレンジの花を贈ったりしました。
また、この他にも蜜柑には木や実の花言葉もあります。
蜜柑の木の花言葉は「寛大」「気前の良さ」です。
これは蜜柑の木にたくさんの果実が惜しみなく実ることからつきました。
そして、実の花言葉は「美しさ」「優しさ」です。
これはつややかで丸い蜜柑の実の姿からきているようです。
冬になると毎年当たり前のように食べているみかんですが、このような花言葉があったのですね。
蜜柑の色別の花言葉
蜜柑の色別の花言葉は特に無いようです。
蜜柑の怖い花言葉
蜜柑の怖い花言葉は特に無いようです。
蜜柑の言い伝え
古くから蜜柑は日本の歴史に深く関わってきました。
徳川家康は駿府城に在城している時に、紀州から献上された鉢植えの蜜柑を天守台辺りに植えたそうです。
家康が植えた蜜柑の品種は紀州みかんで、家康自らの手で植えたと言われています。
当時、江戸では紀州みかんの価格は高騰していて、高級で貴重なものとされていました。
江戸時代の商人だった紀伊國屋文左衛門は蜜柑が大豊作だった紀州で安く仕入れて、江戸で売り、富を得たと言われています。
文左衛門の目の付け所が良かったということになりますが、そこまでになる道のりは簡単ではなく、裏ではとても苦労したようです。
大量の蜜柑を仕入れるために大きな借金をし、いつ壊れてもおかしくない古い船に乗って荒れ狂う大海原を渡って蜜柑を運びました。
この時の様子が「カッポレの唄」の中に登場してきます。
「沖の暗いのに 白帆が見ゆる あれは 紀ノ国 みかん船」という歌詞で歌われています。
命がけで蜜柑を仕入れた文左衛門は一躍、有名な商人となりました。
蜜柑以外にも伝染病が流行った時には文左衛門が「塩鮭が流行り病に良い」と広め、大量に仕入れると、これまた飛ぶように売れたということです。
現代でも鮭は免疫力を高める食品として注目されていますので、目利きの商人が言っていたことは正しかったということになりますね。