キクは葬儀や仏花などに利用される印象が強い花。
そんな中、スプレーマムはキク科の植物ですが、ブーケなどにも使われる人気の花です。
実は日本などが原産の和菊が、品種改良されたことで生まれた花でした。
目 次
スプレーマムとは
アメリカが原産でキク科キク属の花であるスプレーマム。
日本で菊と言われると、和菊を思い浮かべる人が多いでしょう。
キクは和菊と洋菊の大きく2つに分類されます。
アメリカが原産であるスプレーマムは、洋菊に分類される花です。
真っすぐと伸びた茎から、複数の枝に分かれるため、1本にたくさんの花がつきます。
多年草の花で、霜に当たらなければ、日本でも冬越しも可能です。
開花期は10月から11月ごろで、日照時間が短くなると花を咲かせる特徴があります。
この習性から、人工的に火を照らすなどして、開花期をずらし、1年間通して花を咲かせるそうです。
花色は白、オレンジ、ピンク、緑、赤、黄色などがあります。
スプレーマムの名前の由来
「Spray mum(スプレーマム)」という名前は西洋名です。
この名の由来は花の形と、学名にあります。
スプレーマムは、1本の茎が先で複数に枝分かれし、そこに花がつきます。
放射状に枝分かれする様子が、霧吹きのようであることから、スプレーとつけられました。
「mum」の部分は、学名である「Chryasanthemum morifolium(クリサンセマム モリフォリウム)」に由来します。
「Chryasanthemum」を省略し「mum」の部分を西洋名につけたそうです。
ちなみに「Chryasanthemum」は、キク属の花に共通します。
黄金のという意味がある「Chryso」と、花の意味がある「anthemon」の2つのギリシャ語が由来です。
日本でも「スプレーマム」と言いますが、「スプレー菊」と呼ばれることもあります。
スプレーマムが誕生花となる日にち
11月1日
スプレーマムの花言葉
「あなたを愛す」「気持ちの探り合い」「高潔」「清らかな愛」などがスプレーマムの花言葉です。
また、西洋の花言葉は「noble(高潔)」、「pure Love(清らかな愛)」、「female Affection(女性の愛情)」です。
花びらがたくさん集まって咲くスプレーマムですが、花の見た目はとてもシンプル。
ごちゃごちゃしていない花が、より華麗さを際立たせています。
そんな様子から、「清らかな愛」や「あなたを愛す」とつけられたそうです。
「高潔」は日本に馴染のある、和菊にもつけられている花言葉。
気品あふれる様子からつけられているそうです。
スプレーマムの色別の花言葉
スプレーマムには、オレンジやピンク、白、赤などの花色があります。
キクには色別の花言葉がありますが、スプレーマムには色別の花言葉はつけられていないようです。
ちなみにキクの色別の花言葉は以下の通りです。
オレンジ色のキクは、「高貴」「高尚」「高潔」。
ピンク色は「甘い夢」。
白色のキクは「真実」や「誠実な心」。
赤は「愛情」。
スプレーマムの怖い花言葉
キクの花は葬儀や仏花などにもちいられることが多いため、怖い印象の花言葉を持っていると思われているかもしれません。
しかし、スプレーマムは「高潔」や「清らかな愛」など、良いイメージの花言葉ばかりです。
スプレーマムの歴史
スプレーマムを含め洋菊は、元々日本や中国に生息していたキクを品種改良して作られたものです。
日本には、奈良時代には中国から伝えられていたキクですが、西洋には1790年頃に伝えられました。
当時は色味が少ないことなどから、あまり人気がなかったそうです。
1860年頃にイギリス人が日本を訪れ、そこでキクを持ち帰ったところ、人気となりました。
その後、ヨーロッパでキクの品種改良が行われるようになり、そこで生まれた品種を洋菊と呼ぶようになります。
スプレーマムは1940年頃に、アメリカで品種改良により作られた品種です。
スプレーマム以外にも、ポットマムやガーデンマム、クッションマム、スパイダーマムなど洋菊の品種があります。
キクと言われると日本や中国が原産のものばかりだと思っていました。
色が豊富で、鉢植えなどでも楽しめるものが多いのが良いですね。