12月頃になると艶やかな赤い実をつける千両(センリョウ)。
日本では昔から縁起の良い木とされ、お正月の飾りなどに使われています。
目 次
千両(センリョウ)とは
千両(センリョウ)は日本、朝鮮半島、中国、マレーシアなどに分布するセンリョウ科センリョウ属の常緑低木です。
高さは70㎝~1mほどになり、葉は対生で縁はギザギザしています。
6月頃、枝の先に白い小さな花がまばらについた穂状花序ができます。
11~1月頃には直径6㎜ほどの小さな赤い実がたくさん集まってつきます。
「キノミセンリョウ(黄実千両)」という少し小さめの黄色い実をつけるものもあります。
若い枝や葉は生薬として使われることもあり、抗菌作用、消炎鎮痛作用などがあるといわれています。
赤い実が集まってつくことから別名「草珊瑚(クササンゴ)」と呼ばれることもあります。
千両(センリョウ)の名前の由来
「千両(センリョウ)」という名前は江戸時代初期の頃は「仙寥(センリョウ)」という字で書かれていました。
当時「仙」という字は縁起の良い字だったそうで、それが江戸時代後期には「千両」という字に変わります。
なぜその字が当てられるようになったかについてはいくつかの説があります。
まず一つ目は同じように赤い実をつける「万両(マンリョウ)」と比較されてついた説です。
「万両」は通称「ヤブタチバナ(藪橘)」とも呼ばれるサクラソウ科ヤブコウジ属の木です。
千両の実が葉の上に一部にまとまってつくのに対し、万両の実は葉の下に垂れ下がるようにたくさんつきます。
このため、万両の実よりも千両の実の方が重さも軽く、数も少ないという見解から、この名前がついたといわれています。
これとは逆のパターンで「百両(ヒャクリョウ)」と呼ばれる「カラタチバナ(唐橘)」の木とも比較されています。
百両は千両に比べて実の数も少なく、高さも低いことから、千両の木の方が大きい単位になったという説もあります。
しかし、百両の木は江戸時代では大変縁起の良い植物として人気があったようで、百両単位で売買されていたといわれています。
千両(センリョウ)が誕生花となる日にち
12月17日、12月26日、12月31日
千両(センリョウ)の花言葉
千両の花言葉は「利益」「裕福」「富」「財産」「恵まれた才能」「可憐」です。
「利益」「裕福」「富」「財産」「恵まれた才能」の花言葉はたくさんの赤い実がなる豊かさと、縁起物として飾られることからつきました。
商売をされている方などへの贈り物としてもふさわしい花言葉ですね。
「可憐」の花言葉は丸くて赤い実が集まってつく姿が可愛らしいことからついたようです。
ちなみに「万両(マンリョウ)」には「寿ぎ(ことほぎ)」「陰徳」「金満家」「慶祝」などといった花言葉があります。
千両(センリョウ)の色別の花言葉
千両は黄色の実をつけるキノミセンリョウがありますが、色別の花言葉は特に無いようです。
千両(センリョウ)の怖い花言葉
千両の怖い花言葉は特に無いようです。
千両(センリョウ)の言い伝え
日本では古くから「千両、万両、有り通し」という言葉があり、商売をされている方などによってしばしば使われてきました。
この「有り通し(ありどおし)」とは「一両(イチリョウ)」というアカネ科アリドオシ属の植物のことを指しています。
一両は千両、万両と同じく、赤い実をつけますが、数は少なく1~2個しかつきません。
この一両には枝に鋭いトゲがあり、蟻を通すくらい細長いことから「蟻通し(アリドオシ)」という別名がついています。
蟻通しをかけて「有り通し」となり、庭に千両、万両、有り通し(一両)を並べて植えると縁起が良く、商売繁盛するといわれてきました。
以上のように千両に似た名前の木が多く存在しますが、どれも縁起の良い木として古くから親しまれてきたようです。