「1月30日 女性医師の日」
■はじめに
「女性医師の日」がありますが、実際は「映画ジーン・ワルツの日」、あるいは「代理母の日」とすべきじゃなかったんでしょうか。
目 次
女性医師の日とは
1月30日は東映が制定した「女性医師の日」で、これは2011年2月5日から公開の映画「ジーン・ワルツ」のPRのために制定した記念日です。
原作は海堂尊の長編小説「ジーン・ワルツ」で、代理出産の是非を問うミステリーです。
■女性医師の日の意味と由来
なぜ記念日が公開日の2月5日ではなくて1月30日だったのかは不明ですが、前宣伝の期間に1週間必要だったのでしょう。
当然、映画の公開が終わってしまえばお役目終了の記念日で、いくら産婦人科医が主人公だったにしても、女性医師がダシに使われた感は否めませんね。
■女性医師の日のイベント
映画の公開に先立って、不妊治療の専門医を招待した試写会、対談や「笑っていいとも!」での番宣はあったようです。
しかし、公開終了でお役御免となり、翌年からは「女性医師の日」を思い出す人もいなかったでしょう。
と言うより、公開が終わったころの3月11日に、あの東日本大震災が発生して2011年は他の記念日もイベントどころじゃなくなりました。
女性医師の日の雑学
▽代理母出産
妻の子宮に障害があったり、子宮を摘出したなどで出産ができない場合、別の女性に妊娠、出産をしてもらうのが「代理母出産」です。
男性同士のカップルでも代理出産なら子どもを持つことができます。
代理出産には2種類があって、ひとつは「サロゲートマザー」と言い、代理母の子宮に夫の精液を注入する人工授精で、この場合は妻と子どもは血縁関係がないことになります。
もうひとつは「ホストマザー」で、夫の精子と妻の卵子を体外受精させ、受精卵を代理母の子宮に注入するものです。
これなら夫と妻双方に血縁関係がありますね。
しかし、現在の日本では代理母出産が認められていません。
法律に基づく規制はないものの、日本産科婦人科学会の「生殖補助医療への関与、または代理母出産への斡旋を行ってはならない」という見解に縛られて、。日本では代理母出産はできません。
このため、代理母はアメリカやロシア(今はムリですね)などへ渡航して出産することになりますが、アメリカだと約2000万円の費用がかかり、ロシアはその半分程度、東南アジアはさらに費用が抑えられるそうです。
赤ちゃんが無事に生まれ、日本に連れ帰ったとしても、明治時代に制定された民法がまだ適用されるため、「出産した女性が母」として、妻との親子関係は認められず、「特別養子縁組」という方法を取らざるを得ません。
アメリカ人女性を代理母として双子を得た高田延彦、向井亜紀夫妻が嫡出子として提出した出生届が受理されなかったことを提訴した裁判は、認めるとした東京高裁判決が最高裁で覆ってしまいました。
もちろん、倫理上や宗教上の問題、代理母の心変わり、子どもの知る権利など、解決すべき課題は山積ですが、議論が進捗している様子もうかがえません。
時代に合った解決、法整備が望まれます。
▽必要に迫られた女子受験生の得点操作
2018年8月、とある医大の入試で女子受験生に対し、一律の減点操作があったことが発覚、「女性差別」として大きな社会問題になり、連日報道されたのはまだ記憶に新しいところです。
ところが、医師の世界からは「公然の秘密」「長年の慣行でなにを今更」「医療現場を見れば当然の措置」といった声が大勢を占め、ある調査では当事者の女性医師でさえ65%が「理解できる」「仕方ない」と回答、これはこれでまた驚きでもありました。
まず、女子の減点が必要なのは、全体的に女子の成績が男子より優秀なためで、数字通りに合格させていては、医学生の大半が女子になる恐れがあるためです。
これは医師となっても、女性は出産、育児があり、復帰後もリスクのない昼間の短時間勤務、当直や地方勤務ができないなど、女性医師の割合が増えるに従い、男性医師の負担も増す現状があるためです。
そもそも医師を目指して受験する医大は、その受験が医師の資格試験でもあります。
そのため、附属病院の医師確保に悩んでいる中堅クラスの医大は、病院の戦力に穴をあけられては困るために男性医師が求められ、得点操作をせざるを得ません。
その一方で面白いのは、入試の偏差値の低い医大が女子の得点操作に手を染めていないことで、これは男子にゲタをはかせても国家試験合格率が落ちるだけという事情によるものです。
今、必要とされるのは得点操作ではなく、いかに女性医師が長く働ける環境を整えられるかではないでしょうか。
■最後に
「ドクターX」のような颯爽とした女性医師はドラマの中だけで、現実は女性としての生活と医師業務のはざまで大変な毎日を過ごす女性医師がほとんどですね。
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