地蔵盆(じぞうぼん)というのを聞いたことがあるでしょうか。
日本では路傍や街角でよく見かける地蔵菩薩(地蔵の正式名称)ですが、その地蔵盆とはどのようなものなのでしょうか。
意味や由来、お供え等をまとめます。
目 次
地蔵盆の2023年はいつ?
先述した通り地蔵盆は旧暦7月24日のことを指し、期間としては前後合わせて3日間とされています。
しかし、現在は月遅れの8月23日、24日に行われることが多く、
2022年も8月23日(水)、24日(木)の2日間に行われるところが多いようです。
生活環境に合わせて土日にずらす地域が増えたり、旧暦をそのまま新暦に置き換えた7月24日前後に行うところもあります。
少子化の影響から、短縮して24日だけの地域もあるようですので、回覧板等で確認するのが確実なようです。
地蔵盆とは?
地蔵盆とは、お地蔵さんとして親しまれている地蔵菩薩の縁日で毎月24日を指しますが、その中でも特にお盆に近い旧暦7月24日のことを言います。
辻地蔵(路傍や街角のお地蔵さん)が対象で、近畿地方を中心とした行事となっています。
発祥と言われている京都では、地蔵の据えられる祠(ほこら)等の周りに提灯が多く飾られたり花や餅などをお供えする風習があり、屋台が並ぶこともあります。
そして、子ども達はお供えのお菓子を頂いてゲームや福引きなどをして楽しみ、数珠繰り(じゅずくり)や数珠回しを行います。
この数珠繰り(数珠回し)とは、子ども達みんなで輪になって座り、長くて玉が大きい数珠を回す儀式のことで、大人も一緒にその輪に入り行うこともあるそうです。
その他にも地域や主催者によって、子ど達がお経を読んだり、盆踊りをするところもあるのだとか。
古くから伝わる子ども達が主役といった印象の行事ですね。
地蔵盆の様子
地蔵盆の意味や由来は?
地蔵盆の由来は所説ありますが、地蔵菩薩の物語が背景にあるとされています。
親より先に亡くなった子どもは、親の為に賽の河原で小石を積むといわれ、積み上がる前に鬼が鉄棒で崩してしまうのですが、そこで子どもたちを守るために地蔵菩薩が現れるというお話です。
お地蔵さんが赤いよだれ掛けをしているのは、子どもをお地蔵さんに見つけてほしいという親の願いの表れだとも考えられています。
すべての人々を救うとされている地蔵菩薩が日本に来たのは奈良時代と言われていて、室町時代に京都で地蔵盆が大流行し、江戸時代には幼くして亡くなった子どもをお地蔵さんが守ってくれるという話も広がりました。
お供えは何が良い?
地蔵盆でのお供え物は、最後に子ども達に配ることを考えて質より量を優先することが重要です。
小袋に入っているスナックやクッキー、駄菓子や飴等の分けやすいお菓子を箱や大袋で買うのがおすすめです。
子どもと相談しながら買い物するのも楽しそうですね。
バラして一人分ずつビニール袋にまとめて配るところもあるそうなので、どういったスタイルなのか地域の役員さん等、詳しい方に確認しましょう。
お供え(現金)の相場
地域によってはお金のお供えを包むところもあります。
2,000円~3,000円が一般的な相場となっているようです。
のし袋は、紅白の蝶結びの水引きか白い封筒を用意し、「御供」と名前(フルネーム)を書きます。
仏事用ののし袋ではありませんので、注意してくださいね。
地域によって、御供以外に「奉祝地蔵盆」や「灯明料」等を書いたり、親の名前か子どもの名前どちらを書くか変わってきます。
また、世帯別ではなく町内会費で賄うところや金額が決まっているところもあるそうなので、初めて参加するときはやはり詳しい方に聞いた方がよいでしょう。
少子化が叫ばれる昨今ですが、今も昔も子どもの幸せを願う気持ちは変わりません。
地域によって内容が違ったり時代を経て縮小されることがあっても、今まで受け継いできた思いを大切にしていきたいですね。