「5月2日 歯科医師記念日」
■はじめに
歯に関する記念日や○○週間は毎月あるような気がします。
歯の健康を国民にアピールするため、日本歯科医師会をはじめ、全国保険医団体連合会や日本矯正歯科学会、民間企業などがそれぞれ制定しているからですね。
目 次
■歯科医師記念日とは
旧「歯科医師法」が1906(明治39)年5月2日に施行されたことを記念して、日本歯科医師会が1957(昭和32)年に制定しました。
現行の「歯科医師法」は1948(昭和23)年に、「医師法」とともに施行されています。
■歯科医師記念日の意味と由来
みなさんは、同じ医師なのに、どうして歯医者さんだけが独立した「歯科医師法」なのか不思議に思いませんか?
皮膚科と脳外科は同じ「医師法」です。
それなら歯科医師も「医師法」でいいんじゃないかと思うんですが、これには明治時代の医療制度確立過程で、歯科医師と医師の対立が起きたために、こうした法体系になったという経緯があります。
明治のころ、国内では歯科は眼科や耳鼻科と同じというヨーロッパの医歯一元論と、歯については深く専門的に習得すべきというアメリカの医歯二元論が対立しました。
明治26年、医師たちが大日本医会を結成、また同32年には東京帝国大出身者が明治医会を結成し、歯科医師を医療から締め出す目的で、医師法案を提出しました。
こうした動きの危機感から、政治的な対抗力確保のため、同36年に日本歯科医師会が発足し、大揉めに揉めた末、明治39年に医師法と歯科医師法が公布され、歯科医師は独立した免許となりました。
しかし、それで一件落着とはいかず、両者の対立は現在も尾を引いているようで、平成に入っても「口腔」の範囲はどこまでか、つまり歯科医師と耳鼻科医の境界線争いで紛糾もしました。
■歯科医師記念日のイベント
歯科医師法の成立が由来なので、そんな内輪のイベントより、歯の健康を国民にアピールするほうが大事であるとの方針からか、いろいろなキャンペンーンを展開しています。
▽ゆるキャラグランプリに「よ坊さん」エントリー
みなさんご存知、2018年のゆるキャラグランプリの企業・その他部門に、日本歯科医師会のゆるキャラ「よ坊さん」がエントリーしています。
今はゆるキャラばやりで、どこも似たような発想で代わり映えなく、そろそろ飽きられる日も近いのではと思いますが、この「よ坊さん」もなんだかなあ、といったキャラですね。
予防とお坊さんを引っかけたのはわかるんですが、お坊さんが出てくる理由がわかりません。
▽ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー
毎年実施されるこのコンテストはなかなか秀逸ですね。
これは「いい歯、いい笑顔」をコンセプトに、一般からとびきりの笑顔の写真を募集するもので、賞品はグランプリが韓国旅行ペア2泊3日、入賞はガム1年分と1108km分の旅行券などですが、1108kmという半端な距離の意味はおわかりですよね。
また「最も笑顔が輝いた著名人」部門があって、2017年は米倉涼子と草刈正雄が受賞しています。
■歯科医師記念日の雑学
▽GreeeeN「ユメノート」
GreeeeNの「ユメノート」という曲を知っていますか?
これは日本歯科医師会の広報キャンペーンソングで、歯科医師会のHPからのみ聴くことができます。
歯科医師会にしては気の利いた人選ですが、GreeeeNのメンバーは全員が歯科医師なので、なるほどと納得!
▽「口腔」紛争は決着か?
2013年5月、報道各社に「以下の事項が決定したので発表する」という上から目線の文書が厚生労働省から届きました。
このお達しいわく、「歯科口腔保健の推進に関する法律」の施行に伴って、毎年6月に実施している「歯の衛生週間」の名称を「歯と口の健康週間」に変更するという。
どうやら「口腔」紛争は決着したらしい。
■まとめ
歯科医師になるには、歯学部で6年間勉強し、国家試験に合格しなければなりません。
私大医学部だと6年間の学費総額は2000~3200万円となり、その他に数百万の教材費が必要ですが、2018年の国家試験合格率は、医師の90.1%に対し、歯科医師は64.5%に過ぎません。
ひところは歯医者は金持ちといったイメージが横行していましたが、最近は歯科医師数が過剰とも言われ、事実、廃業する歯科医院も珍しくありません。
国民の歯の健康を守る担い手として、ぜひ頑張ってほしいと思っています。
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