「7月22日 下駄の日」
■はじめに
下駄の話になりますが、試験点数の水増しや予算のお手盛りではありません。
あのカランコロンの正真正銘の下駄の話です。
目 次
■下駄の日とは
日本の伝統的な履物である下駄を見直してもらおうという趣旨で、全国木製はきもの業組合連合会が、7月22日を「下駄の日」と制定しました。
下駄には七寸七分といった「7」の数字がよく使われることから7月に、雪道を下駄で歩くと漢字の「二」の字が跡に残ることから、両足で22日としたようです。
下駄の消費、生産が減少したためか、今はもう全国木製はきもの業組合連合会は解散しています。
■下駄の日の意味と由来
「寸」とか「分」(ぶ)で長さを公式に表示しなくなって60年になるので、若い人は1寸と言われてもピンときませんね。
1寸は3.0303cm、1分は3.0303mmですから、七寸七分は約23.33cmになります。
また、「二」の字の足跡の解釈から、以前、伊豆長岡観光協会が11月11日を下駄の日と制定したこともありましたが、平成の大合併で現在は伊豆の国市観光協会となって、下駄の日は忘れ去られてしまったようです。
■下駄の日のイベント
広島県福山市松永地区は、かつて日本一の下駄の産地であったことから、1994年以降、毎年9月に「ゲタリンピック」を開催、下駄とばし(専用の下駄を助走エリアからとばして飛距離を競う)やゲタ将棋(将棋のコマが小さな下駄)、ゲタさばり(1.3トンの巨大なゲタ・ソリをタイム内で引っ張り距離を競う)などで、ちょっとした観光行事にはなっていますが、下駄の日とは関係のない開催日設定です。
この他に、各自治体や店舗が「ゲタ」を冠したイベントを開催することもありますが、やはり全国的な仕切り役不在で盛り上がりようがありません。
■下駄の日の雑学
▽下駄占い
今の子どもはそんな遊びをしないと思いますが、その昔、片方の下駄を蹴り上げて、地面に落ちた下駄の鼻緒が上に向いていれば明日は「晴れ」、下向きで地面に付いていたら「雨」、なんて遊びがありました。
今はこれのどこが楽しかったのか思い出せませんが、平安時代以前の神事から始まっているという研究家もいて、テレビのワイドショーや天気予報コーナーでも、各局がちょっとした話題で採り上げています。
これを科学的に考察すると、雨が近づけば大気中の水分が増え、鼻緒が湿って重くなるため下を向くというものですが、あまり説得力が感じられなくて、ネコの顔洗いが耳を越すかどうかといい勝負に思えます。
実際にテレビ番組の実験でも、関係ないという結果が出ています。
▽下駄の値段
下駄も女性用のほうが種類も多く、鼻緒にも趣向が凝らされていて見た目も華やかです。
最も下駄にふさわしいとされる桐下駄でも1000円前後で買えますが、やはり中国製で、もし日本製を買おうと思うなら1万円近くは覚悟しなければいけません。
靴ほど値段はしませんが、男女ともに2000~5000円あたりが相場でしょう。
▽ゲタ記号
雪の上に残った下駄の足跡「二」の形は、下駄の日だけではなく、新聞社や印刷関係でも「ゲタ記号」として活躍しています。
下駄とは関係ない話になってしまいますが、PCに「げた」と打てば選択肢に表示される「〓」マークの話です。
新聞社では、新たに発見された遺跡の出土物中の漢字や、外交で中国要人の名前の中に、社内で登録されている約6000の漢字表にない文字があった場合、原稿中の当該漢字を「〓」で入力しておき、原稿の末尾でどんな漢字なのかを説明します(これを字解処理と言います)。
たいへんなのは、その漢字が果たして本当に漢字表中にないのかを一覧と照合することで、読みはたいてい見当もつきませんから部首で探すことになりますが、画数が多く、どれが部首だか判別できないケースがほとんどのため、そういうニュースが飛び込むと気が重くなるそうです。
たとえば昔、金大中事件がありましたが、事件関係者に韓国の政治家「梁一東」議員がいて、当時、この「梁」の字は橋梁の梁(橋桁のこと)ではないと外信部や整理本部が主張したため、漢字表外の文字であることを確認して、原稿末尾の(了)の後に、
「☆サンズイに刃、その下に木」(☆は字解を意味する記号)
として出稿し、印刷段階で文字を成形していました。
今もネット上のニュースで、JISにない漢字や符号の「〓」表示を目にすることがあります。
■まとめ
浴衣、丹前で温泉街散策の写真を見ただけで、自然と耳にカランコロンと音が届くような気がしますが、お祭りや花火大会の浴衣姿の女性からは、そんな音は響いてきません。
それもそのはずで、今の下駄の裏にはゴムや硬質スポンジが貼られているからなんですね。
このために舗装道路で下駄の歯が目減りすることもなく、ビルの中でも騒音になりません。
そう言えば最近は、ビルの入り口に「下駄での入館はお遠慮ください」という表示を見かけなくなりました。
これも下駄が時代に対応しての変化ですが、せっかくの浴衣姿も、足音の響かない下駄ではちょっと風情に欠けると感じるのは、筆者がトシを取ったせいかもしれません。
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