「6月16日 麦とろの日」
■はじめに
麦とろごはんですかあ。筆者は中学生になるまで祖母のもとで育ったので、麦とろごはんをいやいや食べさせられた記憶があります。
今でも、麦とろごはんと聞くと、あのヌルヌルして、とりとめのない味わいが脳裏に浮かびますが、それと一緒に祖母や子どものころの遠い日々を思い起こすようです。
余談ですが、明治生まれの祖母の料理ですから、中学生になるまではハンバーグもナポリタンも見たことがありませんでした。
目 次
■麦とろの日とは
栄養価の高い麦とろごはんを食べて、元気に夏を乗り切ってもらおうという趣旨で、2001年に「麦ごはんの会」が6月16日を「麦とろの日」に制定しました。
6(むぎ)16(とろ)ということで、6月16日なんですが、やっぱりちょっと苦しいかな。
7月11日のセブンイレブンの日のように、万人が「おおっ」と納得する日を選んでほしいと思っています。
無理な注文と承知で言っています。
■麦とろの日の意味と由来
夏の暑さによる激しい発汗によって、水分とミネラルが大量に失われ、疲れたり消化酵素の働きが低下して夏バテの症状となります。
サルがさつまいもを生でかじっているのを見たことがありますが、イモ類の中で人間が唯一、生で食べられる山芋は、栄養吸収率を高める効果があり、昔から「山のウナギ」と呼ばれているそうで、糖質が多く、ビタミンB1、B2、ビタミンC、カリウム、食物繊維などの栄養素を多く含んでいます。
相方の麦はと言うと、これも白米の10倍もの食物繊維を含んでいて、食後の血糖値の上昇を緩やかにし、血中コレステロールの低下や便通の改善効果があるとされています。
山芋と組み合わせることで、山芋のアミラーゼやジアスターゼが、吸収しにくい麦ごはんの消化を助けるんですね。
■麦とろの日のイベント
「麦とろの日」を制定した「麦ごはんの会」ですが、その後の活動はまるで音沙汰なしの状態で、お店や関係者で「あとはよろしくっ」といった印象ですね。
会長はあちこちで活躍中、麦とろごはんまでは忙しくて手が回らないのかもしれません。
麦とろの日の雑学
▽「とろろ」はかゆい
麦とろごはんは上手に食べないと、そこらじゅうがかゆくなって、のんびり食事もできません。
特に目測を誤って口の周りにつけてしまい、思わずこすろうものなら、体中にかゆさが蔓延するようです。
もちろん、どうしてかゆいのかを研究している先生もいて、原因はハッキリしています。
山芋を薄くスライスして顕微鏡で見ると、皮の近い部分に針の束のようなシュウ酸カルシウムの針状結晶がたくさんあって、イモをすり下ろすことで針が外へ飛び出し、これが皮膚に刺さって刺激となり、やたらとかゆくなるそうです。
この防御策はいくつかあって、まず皮に近いところが問題なので、もったいない気もしますが、イモの中心部分だけを使うことです。
また、冷凍した状態ですり下ろせば、針状結晶はポキポキ折れるので、皮膚に刺さりにくくなります。
あとは「上手に食べる」という研究者らしからぬ回答もあって、こういうことを書ける先生は好きです。
また話がそれますが、先日、テレビで「山で遭難しないためにはどうすればいいでしょう?」と聞かれた専門家が「山に登らないことです」と答えました。
それに倣えば「山芋にかかわらないことです」となるでしょうか。
▽麦ごはん
自慢ではありませんが、筆者は生まれてこのかた、ごはんを炊いたことも米をといだこともありません。
それに恥ずかしながら、麦ごはんは100%大麦ではないことを知ったのも、そう昔のことではありません。
麦ごはんの炊き方なるレシピを見ると、米300gに対して大麦50gとありました。
最近の健康志向で麦ごはんも見直され、学校給食にも進出し、レンジでチンのパックごはんも登場していますが、特別安いわけでもありません。
70年近く前、時の大蔵大臣、池田勇人が「貧乏人は麦を食え」と発言して大騒ぎになりましたが、そのころと比べると、麦ごはんの価値は見違えるようです。
ちなみに、この発言は曲解されたもので、いくらなんでも大臣がそんなことを国会で言うはずがありません。いやいや、言いそうな人がひとりいました。
■まとめ
「barley mixed rice with grated Japanese yam」
(大麦を混ぜた米にすりつぶした日本の山芋)
英語で麦とろごはんを言うとこうなります。英語のほうがわかりやすいですね。
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