「10月7日 盗難防止の日」
■はじめに
実際の所業はともかく、石川五右衛門は実在していたようで、イエズス会の宣教師の日記には、京都・三条河原で釜茹での刑にかけられたという記述が残されています。
五右衛門がそのときに詠んだ辞世の句、
「石川や 浜の真砂(まさご)は尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ」
(たとえ私がいなくなったり、浜の砂さえなくなったとしても、世の中から泥棒がいなくなることはない)
はもちろん後世の作り話ですが、なかなか良くできていますね。
これには続きがあって、「そりゃ、古今和歌集からの盗作だろ?」とツッこまれた五右衛門は、
「これが五右衛門の盗み納めじゃ」
と返したそうな。
これは落語だったと記憶していますが、それにしても、なかなか粋な盗人の最期です。
目 次
盗難防止の日とは
日本損害保険協会が2003(平成15)年に、盗難被害を防ごうと、10月7日を「盗難防止の日」に制定しました。
「10(とう)7(なん)→とうなん→盗難」という語呂合わせですね。
■盗難防止の日の意味と由来
「盗難」とは「第三者に金品を盗まれること」で、いわば被害者目線の言葉ですね。
被害は金品なので、スリ、ひったくり、侵入による窃盗、車上荒らしなどで、命を奪う殺人、赤ん坊をさらうなどの誘拐は「盗難」とは言いませんね。
そんな当たり前なことを言うのは、盗む側にすると殺人や誘拐ほど「罪の重み」を感じないからで、そのためについつい犯行を重ねてしまいます。
「嘘つきは泥棒の始まり」と言います。
嘘をついていると、だんだん恥や倫理観が薄れ、それが高じて盗みという犯罪行為にも罪悪を感じなくなって、やがて常習になるということですね。
■盗難防止の日のイベント
日本損害保険協会は毎年「盗難防止の日」に、防犯意識を高めてもらうため、全国でオリジナルグッズやチラシを配布する街頭活動を実施しています。
また、自動車盗の手口研究会や保険金詐欺などの犯罪以外の分野でも、高齢ドライバー交通安全イベント、地域防災、水道凍結事故まで、幅広い啓発活動を全国で通年にわたって実施しています。
盗難防止の日の雑学
▽平成29年版犯罪白書
犯罪白書によれば、平成28年の刑法犯総数は99万6120件で、認知件数では「窃盗」がそのうちの72.6%を占め、次いで「器物損壊」の10.1%、「詐欺」4.1%、「暴行」3.2%、「横領」2.5%、「傷害」2.4%などで、窃盗が他を圧倒しています。
窃盗の件数は72万3148件で、これは1日に全国で約2000件の窃盗被害が発生している計算になります。
しかし、逆に検挙率は28.9%と低水準で、「殺人」の100.7%(100超は28年以前の発生分検挙が加算されているため)、「強盗」の80.5%、「放火」の75.1%に遠く及ばず、刑法犯全体の検挙率を33.8%に引き下げている原因となっています。
また、窃盗での検挙内訳は、「万引き」の37.4%に対し、「車上・部品狙い」7.4%、「空き巣」7.1%、「自転車盗」6.5%と低く、大きな差が出ています。
軽い気持ちで駅前の自転車や傘を拝借するのも窃盗罪になるので、ほろ酔い加減でもそんなことをしてはいけませんね。
▽オンラインバンキングが狙われている
クレジットカードを狙うネット犯罪は、ようやく手口や対策が周知されたようですが、今度はオンラインバンキングの口座がターゲットにされ、銀行・警察vsネット犯罪グループの攻防が激化しています。
警察庁の発表では、2019年9月に不正送金被害が急増、9月の被害件数・金額は441件4億800万円、10月は397件5億1900万円、11月573件7億7600万円に上りました。
以前の詐欺メールやサイトは、「あなたの…」が「貴様の…」になっているなど、怪しい日本語で明らかにそれとわかりましたが、最近は企業のトップページそっくりな作りになっていて、いちいちアドレスで確認しなくてはなりません。
迷惑メールが届くくらいならともかく、バンキングとクレカには細心の注意が必要ですね。
■最後に
先日、埼玉県で80歳の男性が、アパートに侵入した直後、警戒中の捜査員に現行犯逮捕されました。
男は夕方に盗みに入る手口から警察内では有名人で、「宵空きの○○」と呼ばれており、「人生のすべてを泥棒に費やしてきた」と供述しています。
80歳、何ともやりきれない人生ですね。
10月7日は何の日?誕生日の有名人や星座、花言葉・運勢・性格は
他にもおもしろい記念日がたくさんあります!