■はじめに
師走の時節となる12月から、1月に入るといよいよ新年を迎えるシーズンになります。
自宅や帰省するなど、各々に合わせてお正月を過ごされていることと思います。
そんな1月の始まりは、視覚障害者にとって欠かせない点字新聞創刊記念日です。
目 次
点字新聞創刊記念日とは
点字新聞創刊記念日は毎年1月1日にあります。
社会福祉法人・桜雲会(おううんかい)によって制定され、一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。
桜雲会は東京都新宿区高田馬場に事務局を置き、点字・録音図書などを出版しています。
■意味
点字新聞創刊記念日は、世の中に対して正しい興味を認識を持ってもらいたいという意味合いがあります。
そして、点字新聞に対する感謝の気持ちを表す日でもあるんですね。
例えば点字新聞にまつわる周年記念イベントなどが行われています。
■由来
1906年(明治39年)1月1日、左近允孝之進(さこんじょう・こうのしん)氏が、日本初の点字新聞「あけぼの」を創刊しました。
このことから、点字新聞創刊記念日は1月1日に制定されました。
「あけぼの」の創刊号には、「視覚障害者が情報を得られるように」との左近允氏の思いなどが掲載されています。
■イベント
毎年行われている点字新聞のイベント情報は得られませんでしたが、時折、記念イベントなどが行われているようです。
点字新聞「点字毎日」を発行する毎日新聞社は2017年11月7~13日にかけて、展示会【超福祉展】に参加し、点字毎日に関する展示と、対話イベント「HUMAN LIBRARY」を東京の渋谷キャストで実施しました。
障がい者を始めとするマイノリティーや、福祉そのものに対する「心のバリアー」を取り除くため、さまざまなアイデアやテクノロジーを紹介するもので、2014年からピープルデザイン研究所の主催で行われています。
国内唯一の点字新聞「点字毎日」を95年に渡って発行するなどの活動をしてきた毎日新聞社は、人々が助け合いながら生きる共生社会の実現を目指すキャンペーンを展開しており、今回はそのキャンペーンの一環として、また点字毎日事業の95周年を記念しての出展となったのだそうです。
超福祉展サテライト会場の渋谷キャスト1階の多目的スペースの壁一面には、点字毎日の記事がインスタレーションとして展示されました。
そして同会場で行われた参加型イベントが、人の図書館「HUMAN LIBRARY」です。
2000年にデンマークの音楽フェスで行われたのがきっかけで、「本」役(障がい者やマイノリティー)と、読者(参加者)が少人数で対話することで、相互理解を目指すという試みです。
本イベントでは、1週間の会期で総勢90人を超える本役が参加し、読者となる来場者たちとじっくりと対話を楽しんだのだとか。
他にも、点字新聞をテーマとしたシンポジウムなどが開かれているといった情報がありました。
また、点字新聞をリサイクルして一つ一つ手作りされた真っ白でポコポコした手触りの封筒の販売やショップバッグを使用しているお店の情報などもありました。
ご興味のある方はチェックしてみてくださいね。
点字新聞の雑学
点字新聞創刊記念日にちなんだ雑学をご紹介します。
□日本の点字新聞
新聞社が約1世紀にもわたり点字新聞を発行し続けている例は世界にもありません。
視覚障害者と社会をつなぐ架け橋としての役割を果たしてきた点字毎日はその功績により、1963年(昭和38年)に菊池寛賞を受賞、2018年(平成30年)には日本記者クラブ賞特別賞が贈られました。
その授賞理由には「収益性よりも社会的弱者への貢献を優先した100年近い歩みは敬服に値する。ジャーナリズムの使命の広がりについても考えさせてくれた。」とあります。
□現在の点字新聞
点字新聞「あけぼの」の創刊号には「視覚障害者が情報を得られるように」との左近允氏の思いなどが掲載されていました。
また、「あけぼの」の精神は現在の毎日新聞社が発行する「点字毎日」に受け継がれています。
■まとめ
点字新聞創刊記念日についてご紹介させて頂きました。
1世紀以上も前から点字新聞が存在し、現在も視覚障害者の方々の大事な情報源になっているなんて驚きですよね。
毎年1月1日点字新聞創刊記念日には、点字新聞に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。
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