▪はじめに
緑茶とは、日本を代表する飲み物です。
澄んだ緑色と独特の香りが特徴的な緑茶は、抹茶や煎茶など様々な形で世界中で飲まれています。
そんな緑茶の記念日は、茶摘みの歌にもある八十八夜にあります。
目 次
緑茶の日とは
緑茶の日は、毎年立春から数えて八十八夜となる日にあります。
2019年は5月2日、2020年と2021年は5月1日が緑茶の日となり、年によって変わります。
緑茶の日は、1990年(平成2年)7月24日に、公益社団法人日本茶業中央会によって制定された記念日です。
日本茶業中央会は、緑茶の日と同時に毎年旧みどりの日であった4月29日から5月5日までの一週間を、「緑茶の週間(グリーンティーウィーク)」と制定しています。
▪意味
緑茶の日には、茶摘みの最盛期で栄養価も高くなっているこの時期の緑茶をより多くの人に味わって欲しいという願いが込められています。
▪由来
緑茶の日は、八十八夜のころが茶摘みの最盛期であり、この日に摘んだお茶を飲むと一年間無病息災で過ごせると昔から言い伝えられていることが由来となって制定されました。
▪イベント
毎年、緑茶の日やグリーンティーウィークには、日本各地でイベントが行われています。
お茶どころとして有名な福岡県八女市では、毎年グリーンティーウィーク期間中の5月の連休中に「八女新茶まつり」が開催されています。
過去のお祭りでは、八女茶娘クィーンを決定する「八女茶娘クィーンコンテスト」をはじめとする、和太鼓や三味線、フラダンスなどのステージイベントや、日本茶インストラクターによるお茶の美味しい淹れ方教室や職人による手揉み茶の実演、お茶のテイスティングなどのイベントが行われました。
また、多くの八女新茶の試飲販売や八女茶を使った餃子などの地元の飲食店などの屋台が多数出店されたり、八女農業高等学校の生徒たちが授業で作った煎茶や野菜の苗、八女茶を使ったクッキーなどを販売したりもしました。
このお祭りは毎年多くの人が訪れています。
美味しい新茶を味わいたい方は、ぜひ足を運んでみてください。
緑茶の雑学
<緑茶の種類とは?>
緑茶は日本人が昔から飲んでいて、一般的に「日本茶」と呼ばれるお茶です。
「日本茶」とは正確には「日本で生産されたお茶」のことで、紅茶やウーロン茶でも日本で作られたのなら日本茶となりますし、中国で生産されたものであれば緑茶でも「中国茶」と呼ばれます。
しかし、緑茶は日本での生産量が圧倒的に多く、「緑茶=日本茶」という認識が一般的になっているようです。
茶の葉から作られるお茶には大きく分けて3つの種類があります。
その違いは発酵度合いで、茶葉を完全に発酵させた「発酵茶(全発酵茶)」、蒸したり炒ったり天日干ししたりして茶葉に熱を加えて発酵させない状態にして作った「不発酵茶」、発酵を途中で止めた「半発酵茶」があります。
発酵茶(全発酵茶)とは紅茶、不発酵茶は緑茶、半発酵茶はウーロン茶など紅茶と緑茶以外のお茶のことを指します。
では、「緑茶」にはどんな種類があるのでしょうか。
緑茶は茶葉の育て方や荒茶(生の葉を熱処理してから葉の形を整え、水分をある程度まで下げて保存に耐えられる状態にしたもの)の製造方法によって種類が分けられています。
また「緑茶=不発酵茶」なので、私たちが緑茶だと思っていないものも含まれますが、大きく分けると次のようなものがあります。
煎茶
煎茶とは、茶の生葉を蒸してから揉んで葉の形を整える荒茶の製造方法で作られるお茶のことです。
この製造方法は最も一般的なものなので、緑茶=煎茶というイメージが強くなったとされています。
玉露
玉露とは、新芽が2~3枚開き始めたころに茶の木を葦簀(よしず)や藁、寒冷紗などで20日間覆って日光が当たらないようにして育てたお茶です。
日光を遮ることでカテキンの生成が抑えられ、渋みが少なく旨みの強い味になっているのが特徴となっています。
かぶせ茶
かぶせ茶とは、玉露と同じように日光を遮って栽培した茶葉を使ったお茶です。
玉露との違いは日光を遮る日数で、かぶせ茶は玉露よりも短く1週間前後寒冷紗などを被せて育てられたものです。
抹茶
抹茶とは、てん茶(茶葉を蒸した後、揉まずに乾燥させ茎や葉脈などを取り除いたお茶)を石臼や微粉砕機で挽いたお茶です。
茎茶(かりがね)
茎茶とは、新芽の茎の部分を使って作られたお茶です。
茎茶特有の爽やかな香りと甘みがあるのが特徴で、煎茶よりも茎茶を好む人も少なくない人気のお茶です。
比較的安価で販売されていますが、抹茶や高級煎茶を作るときに取り除かれた茎の部分を使ったものは「かりがね」と呼ばれています。
番茶
番茶とは、「番外茶」からきている普段使いのお茶の総称で、大きく分けて5種類のものがあります。
- 一番茶を摘んだあとの遅れ芽を使って作られたもの
- 三番茶をすぐには摘まずに秋まで育ててから摘んだ茶葉を使って作られたもの(秋冬番茶)
- 仕上げのときに選別された大きくて扁平な茶葉をそのまま使って作られたもの
- 「京番茶(大きな葉をそのまま蒸して揉まずに乾燥させて炒ったもの)」や「美作番茶(茶葉を枝ごと刈り取って蒸すように煮てむしろに広げ、時々煮汁をかけながら天日干しして乾燥させたもの)」・「阿波番茶(茶葉を枝ごと刈り取り釜茹でしてから揉んで桶に漬け、乳酸菌発酵させてから天日干しして乾燥させたもの)」などその土地の特殊な製法で作られたもの
- 北海道や東北地方の呼び方で一般的には「ほうじ茶」のこと
ほうじ茶
煎茶や番茶、茎茶などを茶色くなるまで強火で炒ってほうじた(焙煎した)、香ばしい味わいが特徴のお茶です。
釜炒り茶
釜炒り茶とは、荒茶を作るときに高温の釜で炒って熱処理をしたお茶です。
玄米茶
玄米茶とは、蒸した米を炒ったものを煎茶や番茶などの茶葉と同量の割合で加えた、香ばしくさっぱりとした味わいが特徴のお茶です。
これらの種類は、細かな製造法や使われる茶葉の部位などによってさらに細かく分類されています。
<海外では緑茶に砂糖を入れて飲むって本当?>
緑茶は日本だけでなく海外でもよく飲まれています。
中国やベトナムでは緑茶を作る歴史は古く、昔から緑茶を飲む習慣があり、モロッコなどの中東では中国の緑茶が昔から飲まれていました。
そして近年では、緑茶は健康に良い飲み物としてヨーロッパやアメリカなどでも飲まれるようになってきています。
日本の緑茶はどんどん世界中に広まってきているのですが、海外では緑茶に砂糖を入れて飲むのが一般的なのです!
これは、日本以外の国の人にとって緑茶は渋みが強すぎるからで、渋みをやわらげるために砂糖を入れるようになったのだそうです。
紅茶やコーヒーを日常的に飲む欧米の人なら分からなくもないのですが、中国や東南アジアなどでも砂糖を入れて飲むのには少し驚きました。
実際、海外旅行に行ってコンビニなどで緑茶を買って飲んだらものすごく甘くてびっくりしたというのはよく聞く話なので、みなさんも海外に行った時には注意してください。
しかし近年、肥満や糖尿病を防止するためにアメリカの一部の州やメキシコ、イギリスなど砂糖が使われた商品に課せられる「砂糖税」が導入される国が増えてきたことにより、無糖の緑茶の需要が海外でも増えてきています。
税金対策のためだけでなく、砂糖が入っていない緑茶が美味しいという理由で海外の人たちにも広まっていくと日本人として嬉しいですよね。
▪まとめ
ひと昔前は、緑茶は高級なもので正月などのハレの日やお客さまが来た時など特別な日にだけ飲まれるものでした。
しかし、最近ではスーパーやコンビニなどで気軽に購入でき、日常的に飲む飲み物となっています。
そんなポピュラーな飲み物である緑茶も、八十八夜に摘まれたものは甘みが強く香りも爽やかですし、何より初物として縁起の良いものとされているので、緑茶の日に摘まれた新茶をぜひ味わってみてください。
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