「2月19日 天地の日」
■はじめに
「1位と2位では天と地ほどの差がある」などと言うように、「天」と「地」は比較の比喩表現としてよく使われ、「天」が優・上、「地」は劣・下といった具合になっているようです。
この差は古来、洋の東西、宗教の違いを問わず、天には神が棲むとされていたことを思えば納得です。
今回はその「天と地」がテーマです。
目 次
天地の日とは
2月19日は「天地の日」と言うそうですが、さて、この日がどんな意味合いをもつのかはよくわかりません。
日付は「地動説」の提唱者であるポーランドの天文学者ニコラウス・コペルニクス(1473~1543)の誕生日が由来とされているので、なるほどとは思いますが…。
コペルニクスがどんな人だったか詳しくは知らないまでも、その名前を知らない人はいませんね。
彼はカトリックの司祭であり、知事、法学者でもあって、占星術師、医者としても知られていました。
また、経済学者として「悪貨は良貨を駆逐する」と唱えた人でもあります。
■天地の日の意味と由来
日本書紀によれば、何もない空間が突然、天と地に分離したとだけ書かれています。
なぜ、どのようにという記述はなく、キリスト教の旧約聖書やギリシャ神話でも天地が現れる前はただ「混沌」があるだけとしか記されておらず、ほとんどは神が天と地を創ったことになっていますね。
■天地の日のイベント
「天地の日」を記念したイベントはないようですが、天動説と地動説をテーマにした各地の科学館や天文台のイベント、大学の出張キャンパスなどが時折開催されているようです。
天地の日の雑学
▽地球が球体だと証明したエラトステネス
紀元前3世紀ごろ、エジプトのアレキサンドリアにエラトステネスという歴史家、哲学者、詩人、数学者でもあるという多才な天文学者がいました。
ある日、彼はパピルスの本の中に不思議な一節を見つけます。
それはアレキサンドリアから遠く離れたシエネの町の話で、6月21日の正午には垂直に立てた棒には影ができず、深い井戸の水面に太陽が映ることから、その時刻にはシエネの真上に太陽が来るという記述でした。
しかし、同じ時間にアレキサンドリアでは同様のことは起きません。
遠く離れた太陽からの光は平行な光線なので、地球が平面なら2本の棒の影は同じはずです。
従って地球の表面が曲線でなければこの現象は起こらないと彼は考えました。
次に影の長さの差から、2本の棒は地球の中心に対し7度の角度があると計算し、地球が球体であるという仮説を実証するために壮大な実験にとりかかります。
彼はひとりの男を雇い、2つの都市の間を歩かせて、歩幅で距離を測りました。
その結果、両都市間は約800kmと判明、7度は地球の全周360度の約50分の1なので、地球は周囲約4万kmの球体であると証明しました。
2300年前にもかかわらず誤差わずか数%、エラトステネスは地球の大きさを測定した最初の人間でした。
しかしこの歴史的発見は、雇われて約800kmを正確な歩幅で歩き通した驚異的な人の功績があったからこそですが、その男の名前は残されていませんね。
▽惑星は太陽に近いほど速いスピードで動いている
その昔、筆者は惑星の並びを「水金地火木土天海冥」と習いましたが、その後、海王星と冥王星の楕円軌道の形の違いから「……冥海」となり、2006年に冥王星は準惑星に格下げされてしまいました。
冥王星はともかく、この8つの惑星は太陽を1周する公転周期や速度には大きな差があり、太陽に近いほど速度が速く、軌道も短いので公転周期も短いですね。
これは太陽の重力で引き込まれないよう、太陽に近いほど速い速度でなくてはならないためです。
各惑星の太陽からの距離、公転周期、秒速は次の通り(距離は平均、全数字には約がつきます)。
水星 距離5790万km/公転88日/秒速47km
金星 距離1億820万km/公転225日/秒速35km
地球 距離1億4960万km/公転365日6時間/秒速29.8km
火星 距離2億2790万km/公転1年322日/秒速24.1km
木星 距離7億7830万km/公転11年315日/秒速13.1km
土星 距離14億2940万km/公転29年167日/秒速9.7km
天王星 距離28億7500万km/公転84年7日/秒速6.8km
海王星 距離45億440万km/公転164年281日/秒速5.4km
公転周期、秒速ともきれいに比例していますね。
■最後に
私たちは何の気なしに「太陽が昇る」とか「……沈む」とか言いますが、これって天動説じゃないでしょうか・・・。
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