▪はじめに
海上自衛隊とは、主に海上の防衛を担当する自衛隊の組織の1つです。
今回は、日々厳しい訓練を続け、災害時には第一線で救助活動を行ってくれる海上自衛隊の歴史に関する記念日や雑学などについて紹介していきましょう。
目 次
海上自衛隊の日とは
海上自衛隊の日は、毎年4月26日にあります。
この記念日は、1952年(昭和27年)のこの日に海上自衛隊の前身である海上警備隊が創設されたことに因んで、2013年(平成25年)に海上自衛隊が制定したものです。
▪意味
海上自衛隊の日には、海上自衛隊の歴史と伝統を考えるという目的があります。
▪由来
海上自衛隊の日は、1952年(昭和27年)4月26日が海上自衛隊の前身となる海上警備隊の創設日であることに由来して制定された記念日です。
▪イベント
海上自衛隊の日には、全国各地の海上自衛隊基地で、自衛艦を信号旗などで飾った「満艦飾」が行われています。
その他にも、各基地では基地内の一般見学会や音楽隊によるコンサート、基地ごとのお祭りなどが開催されます。
そのうちの1つに、広島県呉市にある海上自衛隊呉基地で毎年夏に開催される「呉サマーフェスタ」があります。
「呉サマーフェスタ」は呉市の海上自衛隊呉地方総監部城山グラウンドで行われており、毎年多くの人が訪れています。
このイベントでは、海上自衛隊音楽隊のミニコンサートや人気アーティストのライブ、地元高校生によるダンスパフォーマンスなどのステージパフォーマンスが行われます。
また、敷地内で発見された地下壕の一般公開や呉湾内クルーズなどここでしか体験できないイベントも人気のイベントです。
飲食ブースも多彩で、中でも呉海自カレーや呉海軍アイスなど海上自衛隊独自のメニューも食べられます。
その他にも手作りキーホルダー作成や高所作業車市場体験、ミニSL乗車体験、災害パネル展示など子供も楽しめるイベントも満載なので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
海上自衛隊の雑学
<海上自衛隊でカレーが食べられるようになったのはなぜ?>
海上自衛隊といえば有名なのがカレーですよね。
横須賀基地の横須賀カレーがメディアに取り上げられたことをきっかけに注目されるようになった海上自衛隊のカレーですが、そもそも海上自衛隊でカレーが食べられるようになったのはどうしてなのでしょうか?
カレーが日本に伝わったのは明治時代初期です。
日本に伝わったカレーはインドのカレーではなく、インドを植民地としていたイギリスの海軍が船の中でもこぼれないように小麦粉でとろみを付けた欧風(イギリス風)カレーで、このカレーの作り方が当時のレシピ本に掲載されたことで、洋食店などで提供されるようになり、日本で少しずつ広まっていきました。
日本の軍隊でも1873年(明治6年)からカレーが提供されるようになりますが、初めて提供されたのは海軍ではなく陸軍幼年学校の土曜日の昼食として出されたのが初めてだとされています。
海軍でカレーが提供されるようになったのは1884年(明治17年)1月からです。
当時の日本軍内で脚気が流行しており、多くの兵士が亡くなっていました。
これを解決するために当時の海軍医だった高木兼寛氏がカレーライスなどの洋食を給食に取り入れたのです。
高木氏は、日本人の食事にはタンパク質が不足していると考え、兵士の食事を洋食+麦飯に変更しました。
その結果、海軍内の脚気患者は激減したのです。
この兵士食改善は軍艦「筑波」による航海実験も行われ、海軍兵士にカレーライスなどの洋食を取り入れるきっかけとなりました。
しかし実は脚気の原因はタンパク質不足ではなく、麦などの雑穀に多く含まれるビタミンB1不足であることが判明するのですが、高木氏タンパク質不足説が否定されたにも関わらずその後もタンパク質中心の食事を提供し麦飯ではなく白米にしたことで脚気患者が再び増えたことで分かったことでした。
数ある洋食の中でもカレーライスは人気だったようで、その後も海軍で時々提供されるようになり、カレーのメニューも増えていきました。
戦後、海上自衛隊が誕生してからも海軍時代のカレーは引き継がれ、現在も各基地独自のカレーが開発されています。
因みに、海上自衛隊では船の中に長く居ると曜日が分からなくなるため毎週金曜日の昼食はカレーと決まっているといわれていましたがこれは間違いで、土曜半休だった時代、自衛隊でも土曜の午後から休みに入るので昼食の調理を簡単に済ませるために土曜日の昼食として手間のかからないカレーが提供されていました。
この習慣が週休2日制になったことでカレーの日は金曜日にスライドされたのだそうです。
<海上自衛隊の特別な仕事とは?>
海上自衛隊の仕事は、海上からの攻撃を防ぎ日本の平和と海上交通の安全を守ることです。
その役割は大きく分けて3つあり、1つは日本の領海を守る防衛活動、2つ目は国内で災害が発生したときの救助活動、3つ目は海外で災害や紛争が起きたときの国際平和協力活動となっています。
陸上自衛隊と航空自衛隊の活動もほぼ同じで、陸と空の各持ち場から平和を守る活動を行っています。
しかし、海上自衛隊にはこの他にも特別な仕事があるのです。
それは、南極観測への協力という仕事です。
日本の南極観測は1910年(明治43年)に陸軍軍人で探検家でもあった白瀬轟を隊長とした南極探検隊が初めて行ったことをきっかけに、第二次世界大戦後から本格的に始まりました。
戦後初の南極観測隊は、戦時中に軍隊の後方支援を行っていた耐氷型貨物船「宗谷」に乗って南極まで行きました。
その際、海上自衛隊隊員が船の操縦や南極での活動支援を行いました。
その後も、海上自衛隊は南極観測への協力を行い続けており、現在は海上自衛隊が保有する砕氷船「白瀬」による南極観測隊や物資の輸送、海上自衛隊員による艦上観測支援・野外観測支援・基地設営支援が行われています。
▪まとめ
最近は、海上自衛隊の訓練の様子や戦艦内の様子などがテレビで紹介されています。
我が家でも時々見ているのですが、訓練の厳しさに驚いたり音楽隊の演奏の美しさに感動したりしています。
また、東日本大震災のような災害時には、第一線での救助活動を行ってくれて感謝と尊敬の気持ちが絶えません。
海上自衛隊の日には、海上自衛隊の歴史や仕事のことを知り、感謝する気持ちを忘れないようにしたいと思います。
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