甘美な香りで人々を癒す南国の花、ジャスミンは人名に使われたり、いくつかの国では国花にもなっています。
目 次
ジャスミンとは
ジャスミンはモクセイ科ソケイ属の植物の総称です。
アジアやアフリカの熱帯地方が原産で、つる性の常緑低木です。
草丈は1~3mほどになり、白や黄色の花を咲かせます。
ジャスミンには多くの品種がありますが、代表的な品種は以下のような種類があります。
【マツリカ(茉莉花)】
香りも良く、ジャスミンティーに使われているのはほとんどがこの品種で7~9月に白色の花を咲かせます。
別名「アラビアンジャスミン」とも呼ばれています。
【ハゴロモジャスミン(羽衣ジャスミン)】
中国原産で強い香りを放ちます。
つぼみの時はピンク色ですが、4~5月に白い花を咲かせます。
他の品種に比べて耐寒性があります。
【オウバイ(黄梅)】
中国原産で2月下旬~4月頃、葉よりも先に黄色い花を咲かせます。
実は成らず、香りもありません。
以上が代表的なジャスミンになりますが、一方ではジャスミンに間違えられやすい花もあります。
カロライナジャスミン、マダガスカルジャスミン、スタージャスミンは見た目が似ていることと香りが良いことから名前にジャスミンがついています。
しかし、これらは毒性もあり、本来は別の植物に分類されているので注意しましょう。
ジャスミンの名前の由来
ジャスミン(Jasmin)の名前はペルシャ語の「ヤースミーン(yasmin)」からきており、「神様からの贈り物」という意味があります。
このような素敵な意味をもつので女性の人名にも使われています。
ディズニー映画の「アラジン」に出てくる王女も「ジャスミン」という名前がついていますね。
そして、品種の一つである「オウバイ(黄梅)」は漢名で「迎春花」、英語名で「ウィンター・ジャスミン」と呼ばれています。
これは他の品種に比べて2月下旬~4月頃に早く開花することからついたようです。
また、ジャスミンの代表的な品種であるマツリカ(茉莉花)はインドネシアやフィリピンの国花になっています。
特にフィリピンでは歴史が古く、1935年に国花に定められ、「サンパギータ」と呼ばれています。
ジャスミンが誕生花となる日にち
1月26日、4月3日、6月8日、6月10日
ジャスミンの花言葉
ジャスミンの全般的な花言葉は「愛想の良い」「愛らしさ」です。
これはジャスミンが可愛らしい花をたくさん咲かせることと人々をリラックスさせてくれるような香りを放つことからついたようです。
ジャスミンの色別の花言葉
ジャスミンの色別の花言葉は以下のように分けられています。
白色は「温順」「柔和」です。
「温順」「柔和」は白がもつ純粋なイメージからついたのではないでしょうか。
黄色は「優美」「優雅」です。
清楚な白とは違い、華やかな印象の黄色ならではの花言葉ですね。
黄色は南国の花らしく、華やかなイメージがあることからついたのではないでしょうか。
ジャスミンの怖い花言葉
ジャスミンに怖い花言葉はないようですが、清楚で愛らしいイメージの花言葉とは反対に「好色」「官能的」という花言葉もあるようです。
これは人を惹きつける魅惑的な強い香りを放つことからついたのではないでしょうか。
ちなみにジャスミンによく似ている「アメリカジャスミン」(ニオイバンマツリ)というナス科の植物がありますが、こちらは「浮気な人」という花言葉がついています。
これは開花が進むにつれ、紫色から白色に変わっていくことからついたそうです。
ジャスミンの言い伝え
ジャスミンは南国の花でハワイでもレイに使われるなどして愛されてきた花です。
ハワイ王国最後の王女であるカイウラニ王女もジャスミン(マツリカ)の花を愛したその一人でした。
しかし彼女は23歳という若さで亡くなってしまいました。
亡くなった日の夜にジャスミンが咲き誇る庭で、飼っていた孔雀が彼女の死を悲しんで鳴いていたという伝説があります。
それ以来、ハワイではマツリカの花をハワイ語で孔雀という意味がある「ピカケ」と呼ぶようになったそうです。
このピカケは結婚式で花嫁が身に着けることも多いそうです。
このような悲しい伝説がありながらも、ハワイの人々には楽園の象徴として長く愛されてきた花なのですね。