袋状の唇弁が特徴のパフィオペディラムは一見、食虫植物のようにも見えます。
そのようなユニークな花姿をしていますが、実はラン科の植物になります。
目 次
パフィオペディラムとは
パフィオペディラムは熱帯~亜熱帯地域に分布するラン科パフィオペディラム属の多年草です。
開花時期は12~翌年6月頃で、種や品種によって異なります。
花は背部分にがく片が一つあり、中央は袋状の唇弁、その両側にはそれぞれ1枚ずつ花びらがついています。
色は赤、緑、茶、白、ピンク、黄、複色など様々で、斑点や縞模様が入っているものもあります。
食虫植物のような見た目をしていますが、実際は虫を食べることはありません。
パフィオペディラムの名前の由来
パフィオペディラム(Paphiopedilum)の名前はギリシャ語の「パフィア(女神)」と「ペディロン(サンダル)」という意味から成り立っています。
中央の袋状の部分がサンダルに例えられたことからこの名前がつきました。
同じ理由から英語名でも「レディース・スリッパ」と呼ばれています。
パフィオペディラムが誕生花となる日にち
1月18日、11月30日、12月27日
パフィオペディラムの花言葉
パフィオペディラムの花言葉は「思慮深さ」「優雅な装い」「官能的」「気まぐれ」「変わりやすい愛情」です。
「思慮深さ」の花言葉はパフィオペディラムはラン科の中では寒さに強いため、厳しい冬を乗り越える我慢強さや思慮深い印象があることからきているようです。
「優雅な装い」の花言葉は華やかなラン科の植物に属し、斑点や縞模様が入っているものや色も多彩なものが多くあることからきているようです。
「官能的」「気まぐれ」「変わりやすい愛情」の花言葉は通称「リップ」と呼ばれる唇弁があることやパフィア(女神)が名前の由来であることからついたようです。
この女神とは「アフロディテ」という愛と美の女神のことであると言われています。
アフロディテは鍛冶(かじ)の神「ヘファイストス」という夫がありながら、軍神アレスと愛しあったという神話があります。
またアレス以外にも多数の神々とも恋仲にあったということなので、このような移り気な彼女のイメージが花言葉になったようです。
パフィオペディラムの色別の花言葉
上記のパフィオペディラムの花言葉を色別に分けると、白が「思慮深さ」黄が「優雅な装い」ピンクが「気まぐれ」「官能的」というように分けられています。
どれも各色が持つイメージ通りの花言葉ですね。
しかし、緑色のパフィオペディラムには「責任感の強い人」という花言葉がついています。
なぜ緑色がこのような花言葉なのかは、はっきりした由来はわかっていません。
もしかすると「思慮深さ」の花言葉と同じような意味合いで、厳しい冬に耐えることが関係しているのかもしれません。
パフィオペディラムの怖い花言葉
パフィオペディラムには先程の「気まぐれ」や「変わりやすい愛情」のように少し気になる花言葉はありますが、怖い花言葉は特に無いようです。
パフィオペディラムとラン科の仲間
パフィオペディラムはラン科の植物ですが、ラン科を大きく分けると「東洋蘭(とうようらん)」と「洋蘭(ようらん)」に分かれます。
東洋蘭は中国原産のランで花を楽しむ「春蘭(シュンラン)」「一茎九華(イッケイキュウカ)」「寒蘭(カンラン)」や葉を楽しむ「恵蘭(ケイラン)」などがあります。
そしてパフィオペディラムは洋蘭に該当し、他にも以下のような洋蘭があります。
【胡蝶蘭】
大輪の花を咲かせるものと小ぶりのものがあり、開店祝いにはよく贈られます。
白やピンクの蝶のような形をした花を咲かせ、花持ちもよく、1か月以上咲き続けます。
→胡蝶蘭(コチョウラン)の花言葉。白色、ピンク色、青色と色別の意味も
【シンビジウム】
日本でも人気で品種改良が盛んに行われています。
葉は細長く、茎にたくさんの花を咲かせ、垂れ下がるように咲くものも多くあります。
→シンビジュームの花言葉。ピンク・白色・黄色と色で変わる花言葉も
【デンファレ】
デンドロビウム・ビギマムという原種を交配させて出来た品種です。
切り花にもよく使われ、ピンクや白の胡蝶蘭に似た花を咲かせます。
洋蘭は華やかで長持ちするものが多いので贈り物には最適ですね。
ちなみに洋蘭の総称の花言葉は「美しい淑女」「優雅」なので、こちらも問題なさそうです。