皆さんは古時刻・十二時辰をどのくらいご存知ですか?
今では学校の国語の古典の授業などで見る機会があると思いますが、日常的に使い機会はほとんどないと思います。
最近でこそ使う機会が少ないものの、昔ではこの古時刻・十二時辰が頻繁に使われていました。
そこで、古時刻・十二時辰とはどのようなものなのか簡単にご紹介していきたいと思います。
古時刻・十二時辰は日本古典の授業で出てきますが躓いてしまう人も多いです。
ぜひご参考いただけたらと思います。
目 次
古時刻とは?
古時刻とは今とは違う形で1日の時間を表した時法となっています。
1560年以降は現在使われている太陽暦(グレゴリオ暦)を中心に考えられていますが、それ以降では日本や中国が使っていた時法となっています。
十二時辰とは?
十二時辰とは古時刻と同じ意味です。
1日を12等分した時間で、それぞれ2時間ずつの時間帯となっています。
しかし、2時間と言ってもまだ漠然としているため、普段の生活から馴染みのあった十二支を振り当てて覚えやすくしたものとなっています。
そのため、十二時辰では子の刻や丑の刻、寅の刻や卯の刻などが存在します。
しかし、気を付けていただきたいのがこの2時間ずつの時間帯はそれぞれ「およそ」の時間となっています。
というのも、今でこそ時計などが存在しますが、当然昔は時計がない時代もありました。
そのため、時間を日の入り具合、暮れ具合を見て判断していたのです。
お気づきの方もいるかと思いますが、日の入り具合や、暮れ具合は季節によって多少異なると思います。
このことからもわかるように、季節によって日の多少時間がずれることから「およそ」の時間とされているのです。
初刻(しょこく)とは
次は初刻や正刻についてご紹介したいと思います。
初刻とは十二時辰では2時間の時間帯を指すことからもっとわかりやすく表現しようと考えられた言葉です。
そのため初刻とは始まりの時間を指し、子の刻の初刻だと23時、丑の刻の初刻だと1時というような表し方となっています。
例えば、「初詣行きたいから子の刻の初刻に集合」と言われた場合は、「大晦日の23時に集合」という意味になります。
正刻(せいこく・しょうこく)とは
次は正刻についてです。
正刻は初刻と同じような意味です。
十二時辰の時間帯、2時間の真ん中にくる時間を指します。
子の刻の正刻だと00時、丑の刻の正刻だと2時を表しています。
正刻の鐘とは
次は正刻の鐘についてご紹介したいと思います。
正刻の鐘とは時間を表す鐘です。
というのも、最初にも触れたように、今でこそ携帯や時計を持っていて正確な時間を知ることができますが昔はそうではありませんでした。
昔は時計が存在しない時代もありましたし、時計があった時代でも貴重価値が高かったため、上流階級やお寺の方しか持つことが許されていませんでした。
そこで、お寺の方がみんなにより正確な時間をお知らせしようということで、鐘を鳴らして時間帯を知らせたのが正刻の鐘です。
ただただ鐘を鳴らすだけでは正確な時間帯も分かりにくいので、それぞれの十二時辰に鳴らす鐘の回数を変えました。
例えば子の刻の場合だと鐘を九つ、丑の刻だと鐘を八つ、というように1回ずつ鐘を鳴らす回数を減らし、変化をつけて区別をしていました。
正刻の鐘を鳴らすときは合図として先に3回鐘を鳴らしていたのですが、十二支の順番から午の刻以降は3回以降になると思います。
しかし、この回数だと聞き間違いをしてしまう人もいるのではないかという考えから午の刻以降は再度正刻の鐘は九つに戻ります。
2小時とは
次は2小時についてご紹介したいと思います。
2小時は初刻や正刻のようにさらに時間を細かく表した言葉です。
2小時はそれぞれの十二支に「初」や「正」をつけて表し、各1時間ずつの時間帯を表します。
例えば、子の刻の「子初」だと23時から0時までの時間、「子正」だと00時から1時までの時間帯を指します。
3刻とは?
次は3刻についてご紹介したいと思います。
3刻は十二時辰のそれぞれ2時間の時間帯をわかりやすく3つの時間帯に分けたものです。
2時間を3つに分けるということからそれぞれ40分ずつの時間帯になるのですが、3刻は「上刻・中刻・下刻」という言葉で表します。
例えば、「子の上刻だと23時40分」、「子の中刻は00時20分」、「子の下刻は1時」というようになります。
4刻とは
続いて4刻についてご紹介したいと思います。
4刻とは3刻の流れからもわかるように、2時間の時間帯をそれぞれ4つに分けた時間です。
そのため、それぞれ30分ずつの時間帯となり、4刻では「一つ・二つ・三つ・四つ」というような言葉で表します。
例えば、「子一つだと23時から23時30分」「子二つは23時30分から00時」「子三つは00時から00時30分」「子四つは00時30分から1時」このようになっています。
子の刻から亥の刻までについて
次は子の刻や丑の刻など、それぞれの時刻や方角を簡単にご紹介したいと思います。
子の刻や丑の刻は時間帯を表す言葉として使われていましたが、方位を示す言葉としても使われていました。
方位をそれぞれ12等分して分けたもので、十二支を時計回りに振りあてたと考えれば覚えやすいかと思います。
子の刻とは
まず最初にご紹介するのは子の刻です。
子の刻は途中少しずつ例にしてあげたのでわかりやすいかと思いますが「23時から1時」まで時間帯です。
始まりということから00時から2時までと勘違いしてしまう人も多いのですが、ご注意ください。
子の刻は違う名称として「夜半(やはん)」と表記されている場合があります。
子の刻の方角は「北」です。
正刻の鐘は夜九つです。
丑の刻とは
次に丑の刻についてです。
丑の刻は1時から3時までの時間を指します。
丑の刻の名称は「鶏鳴(けいめい)」で、方角は北北東を指します。
丑の刻では丑の刻参りが有名ですよね。
名称からもわかるように、丑の刻は鶏が鳴く時間と覚えると間違えにくいかと思います。
正刻の鐘は夜八つです。
寅の刻とは
次にご紹介するのは寅の刻です。
寅の刻は3時から5時までの時間を指します。
寅の刻の名称は「平旦(へいたん)」で、方角は東北東を指します。
丑の刻参りは有名ですが、寅の刻参りは存在しません。
正刻の鐘は暁七つです。
卯の刻とは
次にご紹介するのは卯の刻です。
卯の刻は5時から7時までの時間を指します。
卯の刻の名称は「日出(にっしゅつ)」で、方角は東を指します。
日出(ひので)の時間だと考えると覚えやすいです。
正刻の鐘は明六つです。
辰の刻とは
次にご紹介するのは辰の刻です。
辰の刻は7時から9時までの時間を指します。
辰の刻の名称は「食事(しょくじ)」で、方角は東南東を指します。
こちらも朝食を食べる食事の時間と考えると覚えやすいです。
正刻の鐘は朝五つです。
巳の刻とは
巳の刻は9時から11時までの時間を指します。
巳の刻の名称は「隅中(ぐうちゅう)」で、方角は南南東を指します。
巳の刻は気合で覚えてください。
正刻の鐘は昼四つです。
午の刻とは
午の刻は11時から13時までの時間を指します。
午の刻の名称は「日中(にっちゅう)」で、方角は南を指します。
午の刻も昼時なので覚えやすいかと思います。
正刻の鐘は昼九つです。
未の刻とは
未の刻は13時から15時までの時間を指します。
未の刻の名称は「日鉄(にってつ)」で、方角は南南西を指します。
正刻の鐘は昼八つです。
申の刻とは
申の刻は15時から17時までの時間を指します。
申の刻の名称は「晡時(ほじ)」で、方角は西南西を指します。
申の刻の名称は漢字が難しくなかなか覚えにくいかと思います。
「晡」は夕方を表す言葉です。
正刻の鐘は夕七つです。
酉の刻とは
酉の刻は17時から19時までの時間を指します。
酉の刻の名称は「日入(にちにゅう)」で、方角は西を指します。
朝になると日が出たのに対して、戌の刻では日が暮れる、入ると考えると名称は覚えやすいかと思います。
正刻の鐘は暮六つです。
戌の刻とは
戌の刻は19時から21時までの時間を指します。
戌の刻の名称は「黄昏(こうこん)」で、方角は西北西を指します。
黄昏時(たそがれどき)の時間帯とイメージすると覚えやすいかと思います。
正刻の鐘は宵五つです。
亥の刻とは
亥の刻は21時から23時までの時間を指します。
亥の刻の名称は「人定(にんじょう)」で、方角は北北西を指します。
正刻の鐘は夜四つで、亥の刻を持って一日が終わります。
「まとめ」
昔の時間の古時刻・十二時辰についてご紹介しましたがいかがだったでしょうか。
意味さえ分かれば覚えやすいかと思います。
十二時辰はそれぞれ2時間ずつの区切りで23時から始まり、方角は北から時計回りに12等分して十二支を振り当てると覚えると間違いにくいです。
ぜひ皆さんも目にする機会がありましたらご参考いただけたらと思います。